『寓話』 ラ・フォンテーヌ(岩波文庫)

寓話〈上〉 (岩波文庫)寓話〈上〉 (岩波文庫)
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ラ・フォンテーヌ

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寓話〈下〉 (岩波文庫)寓話〈下〉 (岩波文庫)
(1972/04/17)
ラ・フォンテーヌ

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書名:寓話
著者:ラ・フォンテーヌ
訳者:今野 一雄
出版社:岩波書店
ページ数:327(上)、388(下)

おすすめ度:★★★★




フランス人の心のふるさとと呼ぶにふさわしい文学作品があるとすれば、それはこのラ・フォンテーヌの『寓話』だろう。
『寓話』は、主に『イソップ寓話集』を下敷きにして詩の形で書かれた寓話集で、どれも短く平易なものなのでたいへん読みやすく、肩の凝らないような軽めの読み物を求めている方には最適の本だと思う。
また、後世のフランス作家が『寓話』の中のエピソードに言及することも多いので、フランス文学を読む上で基礎となる古典作品とも言えるだろうか。

『寓話』に登場するキャラクターは非常に豊富だ。
人間、動物、鳥、虫などはもちろんのこと、擬人化された太陽なども登場する。
単に話の筋を追っていくだけでも楽しめる本ではあるが、それだけではなく、それぞれの話が何を意味しているのか、ラ・フォンテーヌはそれぞれの寓話にどのような教訓を潜ませたのか、それを考えながら読むという大人の読み方にも耐えうる、味わい深い作品群である。

洋の東西が変われば、寓話に頻出する動物やその性格付けが変わっても、決して不思議ではないだろう。
そんな中、日本の昔話で登場する動物が、我々が抱いているイメージそのままに『寓話』に登場していたりする。
かと思いきや、日本の昔話ではあまり登場機会のない虫や動物が重要な役回りを演じていたりもする。
それらを比較してみるのも面白い読み方かもしれない。
完訳 ペロー童話集 (岩波文庫)完訳 ペロー童話集 (岩波文庫)
(1982/07/16)
シャルル ペロー

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『寓話』を楽しまれた読者には、『完訳 ペロー童話集』がお勧めだ。
こちらも大人から子供まで楽しめる作品で、ラ・フォンテーヌと同時代のフランス人であるペローによるものだ。
文学はある程度深刻で難しいテーマを扱うべきであると考えておられる方には不向きかもしれないが、「赤ずきんちゃん」や「シンデレラ」、「長靴をはいた猫」といった日本でもよく知られた作品を多数収録している童話集なので、文学に楽しみを求める読者を裏切ることはないはずだ。
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