『ガルガンチュアとパンタグリュエル』 ラブレー(ちくま文庫)

ガルガンチュア―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈1〉 (ちくま文庫)ガルガンチュア―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈1〉 (ちくま文庫)
(2005/01)
フランソワ ラブレー

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パンタグリュエル―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈2〉 (ちくま文庫)パンタグリュエル―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈2〉 (ちくま文庫)
(2006/02)
フランソワ ラブレー

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第三の書―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈3〉 (ちくま文庫)第三の書―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈3〉 (ちくま文庫)
(2007/09/10)
フランソワ ラブレー

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ガルガンチュアとパンタグリュエル〈4〉第四の書 (ちくま文庫)ガルガンチュアとパンタグリュエル〈4〉第四の書 (ちくま文庫)
(2009/11/10)
フランソワ ラブレー

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ガルガンチュアとパンタグリュエル 5 第五の書 (ちくま文庫)ガルガンチュアとパンタグリュエル 5 第五の書 (ちくま文庫)
(2012/05/09)
フランソワ ラブレー

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書名:ガルガンチュアとパンタグリュエル
著者:フランソワ・ラブレー
訳者:宮下志朗
出版社:筑摩書房
ページ数:508(一)、489(二)、597(三)、654(四)、535(五)

おすすめ度:★★★★




フランス・ルネサンス期の巨人ラブレーの代表作として知られるのが本書『ガルガンチュアとパンタグリュエル』だ。
下品な冗談を散りばめた作品であるにもかかわらず、単なる滑稽譚にとどまらない本書は、社会や宗教に対する風刺性・批判性が強く、危険な思想をはらんだ本であるとして禁書になるという栄誉を授けられた作品である。
長大な作品ゆえに、また、確固たるストーリーが整然と展開していく作品でもないために、万人受けは望めないものと思うが、フランス文学に興味のある人であればラブレーを読んで損はないだろう。

『ガルガンチュアとパンタグリュエル』は、ざっくりと言ってしまえばガルガンチュアとパンタグリュエルが数々の冒険や議論に明け暮れるという物語なのだが、作品中に糞尿に関する描写や性的な表現がとても多いという、世にもまれな下品な古典である。
また、前後の記述に整合性の取れていないところも随所に見られるため、一般に荒唐無稽と評されることが多いようだ。
しかし、その出鱈目さを楽しめる読者の目には、唯一無二の傑作と映ることだろう。
ガルガンチュアとパンタグリュエルがいずれも巨人であると告げるだけでも、そういった読者の好奇心をくすぐるには十分すぎるはずだ。
痴愚神礼讃 (中公クラシックス)痴愚神礼讃 (中公クラシックス)
(2006/09)
エラスムス

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『ガルガンチュアとパンタグリュエル』の読者にお勧めの本といえば、エラスムスの『痴愚神礼讃』だ。
ラブレー自身がエラスムスを師と仰いでいたわけでもあるし、同じルネサンス期の人文主義者として知られるエラスムスとラブレーは切っても切れない間柄であろう。
仮に二人の関係性が存在しなかったとしても、権威に対する人間性の挑戦とでも呼ぶべき著作は一読に値するはずだ。

これまで『ガルガンチュアとパンタグリュエル』の翻訳といえば、渡辺一夫氏の岩波文庫版が一般的だった。
困難を極めるであろうラブレーの完訳を成し遂げたという偉業は、より読みやすい新訳が出されたことで消えてなくなるものではないし、この度の宮下志朗氏の訳業にも資するところが多かったことだろう。
『ガルガンチュアとパンタグリュエル』は、どこが何に対する風刺なのかわかりにくいところの多い複雑な作品だが、宮下氏による丁寧な訳注と解説のおかげで理解に苦しむことはないはずだ。
読みやすい新訳が出たのを機に、冗長ながらも薬味の効いたラブレーの作品を、一人でも多くの読者に味わっていただければと思う。
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