『ゲーテ格言集』 ゲーテ(新潮文庫)

ゲーテ格言集 (新潮文庫)ゲーテ格言集 (新潮文庫)

書名:ゲーテ格言集
著者:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
訳者:高橋 健二
出版社:新潮社
ページ数:231

おすすめ度:★★★☆☆




ドイツが誇る世界の文豪、ゲーテが残した格言や名言の数々を集めたのが本書『ゲーテ格言集』である。
当然ながら、これは訳者がゲーテの膨大な著作群の中から言葉を取捨選択して編んだものであり、ゲーテ自身が編んだ選集にはなっていないが、ゲーテのネームバリューにふさわしく、驚くほど含蓄のある言葉にあふれている。
前世紀の半ばの初版以降、すでに百刷を超えて久しいという、格言集としては異例のロングセラーとなっているが、それも頷けるというものだ。

本書では、ゲーテの言葉は、愛と女性、人間と人間性、芸術と文学、幸福、個人と社会、人生などといった、幅広いジャンルに分けられている。
大半はゲーテが格言として残したものであるが、中には『親和力』、『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』や『ファウスト』など、ゲーテの小説や戯曲から採られた言葉もあり、ゲーテの文学におけるテーマの核心に迫るような鋭い言葉も散見する。
ゲーテの作品に直接触れたときのような感慨は受けないかもしれないが、この格言集に頻出する作品に対する読者の興味は強くかき立てられるに違いなく、本書はゲーテ文学の読書案内としての役割を担うこともできそうな気がする。
性質上、一気に読み通すよりは、落ち着いた時間のできたときに少しずつ読み進めると、より深く味わうことができるのではないかと思う。

ゲーテの言葉が体系的にまとめられているとはいえ、やはり全体として見れば断片的であるという印象は拭い難い。
ゲーテの作品の編訳書である本書は、人間観察の大家でもあるゲーテに一歩近付くための足掛かりとなるべき一冊であろう。
そういう意味では、ゲーテをよく知る方はもちろん本書を楽しめるだろうが、ゲーテの著作に触れたことのない方が本書から始めてみるのも悪くないかもしれない。
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