『ポー詩集―対訳』 エドガー・アラン・ポー(岩波文庫)

ポー詩集―対訳 (岩波文庫―アメリカ詩人選)ポー詩集―対訳 (岩波文庫―アメリカ詩人選)
(1997/01/17)
エドガー・アラン・ポー

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書名:ポー詩集―対訳
著者:エドガー・アラン・ポー
訳者:加島 祥造
出版社:岩波書店
ページ数:201

おすすめ度:★★★☆☆




日本では短編小説家としてよく知られるポーは、英米では詩人としても有名で、そんな彼の代表的な作品をほぼ網羅しているのがこの『ポー詩集―対訳』だ。
岩波文庫から出ている同じ対訳詩集でも、『対訳 バイロン詩集』などはオリジナルの詩が長大なために一部分の抜粋を連ねるという形になってしまうのだが、一篇の詩があまり長くないポーは、そのすべてを掲載することができる。
そういうわけで、ポーの詩はいくつかある有名作品を一冊にまとめることが可能であり、それらをまとめたものがこの『ポー詩集―対訳』である。

同じアメリカの詩人といっても、ポーの作風はホイットマンのそれと大いに異なり、どちらかといえば内向的で、あまり明るいテーマではない作品が多いように感じられる。
決して満ち足りた生涯を送ったわけではないポーの悲しみを歌ったものも多く、それらはきっと読者の琴線に触れるはずだ。

この詩集と合わせて読むのなら、『ポオ評論集』の中の『詩作の哲学』が最適だろう。
ポー自らが『大鴉』の成立過程を詳述していて、いわば作者自らが物した『大鴉』の解説である。
英米文学の教授をしていたボルヘスも、国書刊行会から出された『ボルヘスの北アメリカ文学講義』という本の中で、『大鴉』と『詩作の哲学』について言及している。
その言及の比重が、北米文学をざっと俯瞰するための本のわりに非常に大きく、ボルヘスのポーへの、またポーの詩への関心の高さを示していると言っていいだろう。
いずれにしても、『詩作の哲学』を読めば、ポーの詩から受ける印象は大きく変わってくるに違いない。

ポオ評論集』と同様、詩集ということで一般受けは望めないかもしれないが、詩作品としては非常に読みやすい部類に入ると思う。
難解な単語には脚注が付されてもいるので、ほぼ同時代のアメリカの詩人であるディキンソン同様、英詩の初心者が手にするにふさわしい一冊だろう。
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