『ドン・キホーテ 後篇』 セルバンテス(岩波文庫)

ドン・キホーテ〈後篇1〉 (岩波文庫)ドン・キホーテ〈後篇1〉 (岩波文庫)
(2001/02/16)
セルバンテス

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(2001/03/16)
セルバンテス

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書名:ドン・キホーテ 後篇
著者:セルバンテス
訳者:牛島 信明
出版社:岩波書店
ページ数:441(一)、437(二)、441(三)

おすすめ度:★★★★★




前篇』から十年の年月を経て発表された『ドン・キホーテ 後篇』。
ドン・キホーテ本人も含めて登場人物はほとんどが『ドン・キホーテ』という本が大ヒットしたことを知っており、『前篇』とは若干趣が異なる作品世界が展開されている。
当然ながら前篇と後篇のどちらがより優れているかという議論になるのだが、このような問題の場合、完全なる意見の一致は期待すべくもないとはいえ、後篇に軍配を上げている論者が多いようだ。
いずれにしても、『前篇』と違い、ドン・キホーテと直接関係のない挿話が存在しないのは『後篇』の長所として挙げていいだろう。

再びサンチョと旅立ったドン・キホーテは、いくつかの事件を経た後に、『ドン・キホーテ 前篇』のファンであるという公爵夫妻に出会う。
様々ないたずらを仕掛けられつつも、遍歴の騎士として厚遇されるドン・キホーテは、ついに騎士としての幸せをつかんだのか・・・。
贋作ドン・キホーテ〈上〉 (ちくま文庫)贋作ドン・キホーテ〈上〉 (ちくま文庫)
(1999/12)
アベリャネーダ

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セルバンテスの暮らす現実世界のほうでは、『ドン・キホーテ 前篇』の大ヒットを横目で見ていたアベリャネーダという男が、セルバンテスが後篇を執筆している最中に『ドン・キホーテ』の続編を無断で出版したという事件も起きた。
しかも、贋作にもかかわらずその出来ばえはそう悪くないときている。
著作者の権利を保護しようという観念の弱かった時代のことだけに、うまく商機をつかんだものだと舌を巻くしかないのかもしれないが、セルバンテスはドン・キホーテに、贋作で参加したとされる槍試合について「そんなものには出たこともない」という意味の文句を言わせている。
後篇を熟読したい方は、後篇においてしばしば言及のあるこの『贋作ドン・キホーテ』を先に読んでおくのもいいと思う。

ドン・キホーテ 前篇』を読んだ読者は、ぜひこの後篇も読んでいただきたい。
最後の最後まで読み通せば、多くの読者にとってきっと『ドン・キホーテ』が「好きな本」ランキングの上位にランクインすることだろう。
そして、ドン・キホーテとサンチョ・パンサという文学史上最高のでこぼこコンビも、楽しい思い出と共に長く記憶に残ることだろう。
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