『ボルヘスの北アメリカ文学講義』 ボルヘス(国書刊行会)

ボルヘスの北アメリカ文学講義 (ボルヘス・コレクション)ボルヘスの北アメリカ文学講義 (ボルヘス・コレクション)
(2001/07)
ホルヘ・ルイス ボルヘス

商品詳細を見る

書名:ボルヘスの北アメリカ文学講義
著者:ホルヘ・ルイス・ボルヘス
訳者:柴田 元幸
出版社:国書刊行会
ページ数:208

おすすめ度:★★★☆☆




ボルヘスのイギリス文学講義』の姉妹編がこの『ボルヘスの北アメリカ文学講義』だ。
英米文学の教授だったボルヘスは、北米の文学にも通暁していて、愛好する作家・作品も多い。
なにしろ読みやすい本なので、アメリカ文学について知りたい人には手頃な入門書として、ボルヘスに興味のある人にはボルヘスのとらえた北米文学について知ることのできる本としてお勧めしたい。

『ボルヘスの北アメリカ文学講義』は、アメリカ文学史にその名を留める偉大な作家たちが一同に会した、いわばパンテオンだ。
既読の作品への言及は多大な関心を持って読めるだろうし、未読の作品へのそれは好奇心をくすぐられることだろう。
ボルヘスの他の作品中においてしばしば言及のあるポーやホーソーンなどの記述は特に興味深い。
ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件』のような推理小説を手がけたことのあるボルヘスだけに、推理小説も忘れてはいない。
正統文学史では無視ないしは軽視される分野にもスポットを当てているのは、本書の文章量を考えれば非常に珍しいことではなかろうか。

国書刊行会から出された「ボルヘス・コレクション」、これまで邦訳のなかった作品を多数出版してくれているのは非常にうれしいことなのだが、また活字が大きいのも読みやすくて歓迎すべきことなのだが、大きな活字で200ページそこそこの本となると、やはり内容にはいくらか乏しさを感じてしまう。
ここ数年、ボルヘスの作品が相次いで岩波文庫化されたが、この『ボルヘスの北アメリカ文学講義』あたり、『ボルヘスのイギリス文学講義』と合わせて一冊の文庫にでもなってくれるとありがたいように思う。
読書案内―世界文学 (岩波文庫)読書案内―世界文学 (岩波文庫)
(1997/10/16)
サマセット・モーム

商品詳細を見る

ボルヘスのイギリス文学講義』と比べると、アメリカ文学の歴史の浅さもあってか、本書はやや密度の高いアメリカ文学の解説になっている。
とはいえ、「文学講義」という堅苦しい書名がやや不適当なものであると感じてしまうのは『ボルヘスのイギリス文学講義』と同様だ。
そしてここでもまた、類似の本として岩波文庫から出ているモームの『読書案内―世界文学』を紹介しておくことにする。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリ
PR
最新記事
RSSリンク