『戦争と平和』 トルストイ(岩波文庫)

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書名:戦争と平和
著者:トルストイ
訳者:藤沼 貴
出版社:岩波書店
ページ数:508(一)、572(二)、500(三)、541(四)、535(五)、535(六)

おすすめ度:★★★★★




ロシア文学の、ひいては世界文学の大作としてその名を轟かせるトルストイの『戦争と平和』。
数百にも及ぶ豊富な登場人物の織り成す作品世界は、頻繁に使われる言い回しを借用すれば、まさに「一大叙事詩」である。
ストーリー性がきわめて強いのでこれまでに何度か映画化されており、古くはオードリー・ヘップバーンが主演のものもあるが、時間の限られた映画という枠組みの中では、原作の壮大さを伝えることは難しいように思う。
誰もがその名を知るこの『戦争と平和』、ぜひ小説として味わっていただきたい作品の一つだ。

『戦争と平和』は、ナポレオン戦争前後のロシアが舞台になっているため、歴史小説と分類されることが多い。
事実、戦闘や行軍の場面に割かれる紙幅は少なくないが、それでいて登場人物たちの恋物語や財産問題など、私的な問題もふんだんに描かれている。
基本的には貴族を中心としたストーリー展開だが、下級兵士などをも数多く描きこんだ『戦争と平和』の奥行きは計り知れないと言っていいだろう。

『戦争と平和』は、一般に偉人が築き上げたかのように思われている歴史も、実際には決して歴史に名を残さない無名な人々の偶発的な言動の積み重ねから成立しているというトルストイの歴史観が反映された作品であり、その見解が随所に繰り返されている。
ストーリー展開に不可欠ではない歴史哲学の披瀝は、蛇足といえば蛇足かもしれないが、大海のごとき作品の規模を思えばそのような逸脱も許されるのだろうか。
負けじと早速蛇足まがいのことを言わせてもらえば、皇帝や将軍クラスの実在の人物も多数登場する『戦争と平和』だが、読者にはその記述すべてが史実であると鵜呑みにしないという姿勢は必要かもしれない。

あまりの長大さゆえに手を出しにくい作品の代表格かとも思われるが、この美しくも壮大な人間絵巻は一読に、それどころか再読にも値する。
『戦争と平和』に強い感銘を受けた読者には、同じくロシア文学における戦争を描いた大作、ショーロホフの『静かなドン』をお勧めしたい。
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