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『少年時代』 トルストイ(岩波文庫)

少年時代 (岩波文庫)少年時代 (岩波文庫)
(1971/06/16)
トルストイ

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書名:少年時代
著者:レフ・トルストイ
訳者:藤沼 貴
出版社:岩波書店
ページ数:183

おすすめ度:★★★★




トルストイの自伝風小説の第二作目がこの『少年時代』である。
幼年時代』の続編であり、内容的にも密接なつながりがあるので、順序としては先に『幼年時代』を読んでおくほうがベターだろう。
読みやすさや平易な文体は『幼年時代』と同様なので、気軽に手にとっていただける本として幅広い読者にお勧めしたい。

幼年時代』の頃と比べると、読者は『少年時代』における主人公の少年、その少年の心情をトルストイ本人ととらえていいように思うが、その目線がいくらか変わっていることに気付かされるはずだ。
具体的に何が変わったかというと、自意識の強まりや異性への意識だろうか。
主人公の過ごした環境自体にも大きな変化があるので、ストーリー性も加味されたたいへん楽しく読める自伝風の作品となっている。

自伝といえば、ルソーやゲーテも優れた作品を残しているが、自伝の出来ばえは作者の精神性の深さのみならず、正直さにも大いに左右されるものと思う。
当時まだ無名の作家だったということもあってか、主人公の名前や家族構成など、主要な点は変えてはいるが、自らの精神のあり方を如実に述べる真摯さがトルストイに欠けているわけではなく、それがこの『少年時代』の魅力の一つとなっている。
おそらくそういう廉直を好む姿勢が、彼の後年の思想へとつながっていくのだろう。
幼年時代幼年時代
(2009/01/24)
レフ・ニコラエヴィッチ・トルストイ

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少年時代少年時代
(2009/01/24)
レフ・ニコラエヴィッチ・トルストイ

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『少年時代』を含む、岩波文庫から出されていたトルストイの自伝小説三点は、現在いずれも新品があまり出回っていないようだ。
自伝的作品としての出来がいいだけでなく、トルストイという作家に興味のある読者は決して少なくないだろうことを思うと、少々残念な気がする。
私自身は存在を知っているだけで読んだことはないのだが、右に示すように講談社から単行本で新訳が出ているようなので、そちらで読むのもいいだろう。
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