『トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇』 トルストイ(岩波文庫)

トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇 (岩波文庫)トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇 (岩波文庫)
(1965/01)
トルストイ

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書名:トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇
著者:レフ・トルストイ
訳者:中村 白葉
出版社:岩波書店
ページ数:189

おすすめ度:★★★★




同じく岩波文庫から出されている『トルストイ民話集 イワンのばか 他八篇』の姉妹編とでも呼ぶべき作品がこの『トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇』である。
二冊の本の作風に大きな違いはないので、『イワンのばか』を楽しまれた読者はこちらも同様に楽しめるに違いない。
イワンのばか』を読んでいない方にも、読みやすい民話を数多く残している文豪トルストイの一面をぜひ知っていただきたいと思う。

『人はなんで生きるか』を含めた四編は、いずれも道徳的な生活を促す内容のものだ。
人としてなすべきなのは自らになされた悪に対抗することではなく、悪にも善で立ち向かうべきであるという思想を汲み取ることは、そう難しいことではないだろう。
その通りに実践していたのでは極度のお人よしとなってしまうため、トルストイが現実的な生き方を提示しているとは言いがたいが、善意の描写はやはり読んでいて気持ちの良いものだ。
人は何で生きるか (トルストイの散歩道)人は何で生きるか (トルストイの散歩道)
(2006/05)
レフ トルストイ

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右はその一例だが、表題作の『人はなんで生きるか』をはじめ、本書に収録されている『愛のあるところに神あり』、『二老人』はあすなろ書房から児童向けの単行本も出されている。
幅広い年齢層が楽しむことのできるのが民話の長所なので、子供用に出版されているのも当然といえば当然のことだが、このようなスタイルでの出版はあえて大衆向けの作品を書いたトルストイの意向を十二分に汲んだものと言えるだろう。
子供の頃に親しんだ本は、長く記憶に残るもの。
これらの名作もプレゼントに悪くないかもしれない。

『人はなんで生きるか』に収録されている五編の作品も、民話の常としてその結末はおおよそ想像がつくものが多いが、それにもかかわらずやはり読者は心温まる思いをすることができる。
心理描写や構成などにトルストイの手腕が発揮された小品群に、ぜひ触れてみていただきたいと思う。
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