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『アネットと罪人』 バルザック(水声社)

アネットと罪人 (バルザック幻想・怪奇小説選集)アネットと罪人 (バルザック幻想・怪奇小説選集)
(2007/04)
オノレ・ド バルザック

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書名:アネットと罪人(バルザック幻想・怪奇小説選集)
著者:オノレ・ド・バルザック
訳者:私市 保彦、澤田 肇、片桐 祐
出版社:水声社
ページ数:460

おすすめ度:★★☆☆☆




水声社のバルザック幻想・怪奇小説選集のうち、『百歳の人』に続く第二巻として出されたのがこの『アネットと罪人』である。
百歳の人』と同様、バルザックの若い頃の作品で、こちらも本邦初訳とのことだ。
脱線のなさや物語性の強さは魅力であるが、あいにくと『アネットと罪人』は幻想的でもなければ怪奇小説でもないため、幻想・怪奇小説選集の一冊と期待して読むと拍子抜けする可能性が高いように思う。

『アネットと罪人』は、アネットという信仰心の厚い貞淑な女性と、過去の罪を背負った「罪人」を軸にした物語である。
敬虔な乙女ながら受け身に徹することのないアネットは、退屈なヒロインではないと言ってもいいように思う。
最初はゆっくりと話が進んでいくが、加速度的に盛り上がっていく作品なので、最後まで読み通せば読み応えのある作品に触れたと感じることだろう。
作品中に無数の伏線が張り巡らされているので、おおよその結末は想像がつくように書かれているが、そのせいか引き締まった印象を与える長編作品のように思えた。

『アネットと罪人』は本書が本邦初訳とのことだが、それはつまり、裏を返せばあまり高い評価を受けていない作品ということでもある。
確かに登場人物の性格の転回が激しすぎるきらいがあるような気もする。
バルザックの代表作として知られる『ペール・ゴリオ』や『谷間のゆり』と、作品の質として何が違うのか考えてみるのも面白いだろう。

内容からすると★三つを付けてもいいくらいなのだが、幻想・怪奇小説選集に収められているという場違いな感じが拭い去れないので、一つ減らして二つにしておく。
バルザックの幻想・怪奇小説を読まれたい読者には、『百歳の人』や『セラフィタ』の方をお勧めしたい。
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