『ロビンソン・クルーソー』 デフォー(岩波文庫)

ロビンソン・クルーソー〈上〉 (岩波文庫)ロビンソン・クルーソー〈上〉 (岩波文庫)
(1967/10/16)
デフォー

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(1971/09/16)
デフォー

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書名:ロビンソン・クルーソー
著者:ダニエル・デフォー
訳者:平井 正穂
出版社:岩波書店
ページ数:416(上)、423(下)

おすすめ度:★★★★




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『ロビンソン・クルーソー』といえば、誰もが孤島での一人暮らしというエピソードを知っているし、作者であるデフォーの名をはるかにしのぐ知名度を備えた作品であろう。
当然ながら登場人物は限られているし、ストーリーの振幅には限界があるものの、一人称で語られていく現実的な物語はたいへん読み応えがある。
右は現代版ロビンソン・クルーソーとでも言うべき、トム・ハンクス主演の『キャスト・アウェイ』だ。
この映画を見てロビンソン・クルーソーの名を思い出さない人はいないように思うし、孤島で暮らすというモチーフを世に知らしめた『ロビンソン・クルーソー』はやはり一読に値するのではなかろうか。

『ロビンソン・クルーソー』の上巻では、誰もが知る無人島への漂着とそこでの暮らしぶりが語られる。
下巻は第二部として後日発表された作品で、原題は『The farther adventures of Robinson Crusoe』であり、普通日本で『ロビンソン・クルーソー』として出版されている本では訳出されていないようで、二巻組みとなっている岩波文庫の『ロビンソン・クルーソー』が他の出版社のそれより二倍ほどの分量があるのはそういうわけだ。
下巻ではロビンソンが過ごした島を再訪するというエピソードが大半で、その後さらに航海、冒険を行う様子が描かれているが、『ロビンソン・クルーソー』の醍醐味はやはり上巻にあると言わざるをえない。
いかに窮地に陥ろうとも人道的な見地を固守しようとするロビンソンだが、他民族を見下すような言辞や宗教臭さが感じられる部分も多く、デフォーの作品に強い関心を抱いている方以外はあまり楽しめないかもしれない。
同時代の日本人、江戸時代中期の日本人が欧米人をどのように見ていたかを考え合わせれば、ロビンソンがキリスト教信仰や文明の恩恵を受けていない人々を「蛮人」だ「未開」だと蔑視することに対しても寛容にならなければならないのかもしれないが、そのような書きぶりを今日の読者が愉快に感じることは甚だ難しいから、『ロビンソン・クルーソー』の下巻は今後次第に読まれなくなっていく文学作品の一つであると思われる。

何はともあれ、あまりにも有名な古典である『ロビンソン・クルーソー』、上巻だけでもぜひ読んでみていただきたい作品だ。
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