『ファウスト 第一部/第二部』 ゲーテ(集英社文庫ヘリテージシリーズ)

ファウスト 第一部 新訳決定版 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)ファウスト 第一部 新訳決定版 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
(2004/05/20)
ゲーテ

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ファウスト 第二部 新訳決定版 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)ファウスト 第二部 新訳決定版 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
(2004/05/20)
ゲーテ

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書名:ファウスト
著者:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
訳者:池内 紀
出版社:集英社
ページ数:360(一),496(二)

おすすめ度:★★★★★




ドイツ文学における最大の巨人にして草分け的な存在でもあるゲーテだが、そんな彼がその生涯を懸けた大作がこの『ファウスト』だ。
これは高名な文学作品の常であるが、『ファウスト』も名前が知られている割には読破した人が少ないのではなかろうか。
池内先生の翻訳による本書は、おそらく今まで出版された邦訳の中で最も読みやすいと思うので、まだ読んだことのない方にも、途中で挫折した経験のある方にも非常にお勧めだ。

人間が知りうる知識の限界を悟り、さらなる可能性を求めて悪魔メフィストフェレスと契約を結んだファウスト。
神曲』でダンテがウェルギリウスに導かれたように、ファウストは悪魔の導きで長い長い旅に出る・・・。
ストーリーを追うだけでも楽しめるのが『ファウスト』だが、やはり醍醐味はその思想性だろう。
豊富な思考の余地を提供してくれる『ファウスト』に接する読者は、半ば必然的に様々なことを考えながら読み進めることになるはずだ。
マンフレッド (岩波文庫)マンフレッド (岩波文庫)
(1960/03/05)
バイロン

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ゲーテの『ファウスト』としばしば比較されるのがバイロンの『マンフレッド』である。
いずれも尋常ならざる知力の行く末を描いている詩劇であるという点が共通していて、発表された時期がほぼ同じということもあり、確かに絶好の比較の対象だ。
おそらくは『マンフレッド』を読むことで浮き彫りになる『ファウスト』の特徴もあることだろう。
右は、画像こそないが一応岩波文庫から出された『マンフレッド』なので、興味のある方はぜひ読んでみていただきたいと思う。
ちなみに、『マンフレッド』のほうが短い作品であるだけに構成の密度では勝っているが、作品から感じられる思想性の深さでは『ファウスト』がはるかに優れているというのが私の感想だ。

『ファウスト』、特にその第二部は、読み通したけれどもテーマが深遠すぎるからか結局よくわからなかったという類の感想がしばしば聞かれる。
しかし、これは文学作品一般に言えることだが、現在感じられる、また現在考えられる範囲で楽しむといった、それぞれの読者の身の丈に合わせた鑑賞でも十分であると思う。
偉大な文人であるゲーテが一生をかけて仕上げた作品をわずか数時間で鑑賞しきろうなどと不遜なことを考えず、読む側も人生の様々な地点において時折立ち返ってみればいい、そうすればその時々で違った味わいを与えてくれるのが『ファウスト』ではなかろうか、何しろ『ファウスト』は再読に値する傑作中の傑作なのだから・・・私はそんな風に考えている。
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