『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』 ゲーテ(岩波文庫)

ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代〈上〉 (岩波文庫)ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代〈上〉 (岩波文庫)
(2002/02/15)
ゲーテ

商品詳細を見る
ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代〈中〉 (岩波書店)ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代〈中〉 (岩波書店)
(2002/03/15)
ゲーテ

商品詳細を見る

ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代〈下〉 (岩波文庫)ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代〈下〉 (岩波文庫)
(2002/04/16)
ゲーテ

商品詳細を見る

書名:ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代
著者:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
訳者:山崎 章甫
出版社:岩波書店
ページ数:266(上)、300(中)、329(下)

おすすめ度:★★★☆☆




ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』の続編として刊行されたのが本書『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』である。
修業時代』と比べて、より深い思想性をはらんだ作品であるが、物語性には欠けているため、一般受けは望めない作品であるように思われる。
うろ覚えで恐縮だが、確かモームもどこかで似たような見解を述べていたように記憶している。
また、本書には晩年のゲーテがそれまでの波瀾に富んだ人生において培ってきた思想が作品中に盛り込まれてはいるのだが、それを表現するのに日本人にはあまりなじみのないアフォリズムという形式を採っていたりするので、そのスタイルに戸惑う読者がいても何ら不思議ではないだろう。
そういう意味では、少々玄人向けの作品と言えるかもしれない。

『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』は、その表題が示すとおり、ヴィルヘルムの遍歴の旅を描いた作品である。
子供を連れていることもあってか、彼の落ち着き払った態度や、理性によって和らげられた心情の吐露には、常人以上の大人っぽさが見られることだろう。
修行時代の後に遍歴時代を経て、ヴィルヘルムのたどり着いたところとは・・・。

『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』が発表されたのは『修業時代』の刊行に遅れることおよそ25年であるが、ストーリーや登場人物は密接につながっており、先に『修業時代』を読んでいないと理解しがたい部分もあるだろう。
それにもかかわらず、作品の帯びる雰囲気は大きく変化するので、『遍歴時代』はある意味で二作品を続けて読んだ読者の想像を裏切る続編に仕上がっている。
それをヴィルヘルムの熟成と見て本作を傑作とみなすのか、もしくは難解になりつまらなくなったとみなすのかは、当然ながらそれぞれの読者が判断すればよいことだが、現実問題として遍歴の旅に出ることの難しい世の中に暮らしている我々が、ヴィルヘルムの遍歴の跡を追うことは決して無駄なことではない、そう思うのは私だけだろうか。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリ
PR
最新記事
RSSリンク