『ヘルマンとドロテーア』 ゲーテ(岩波文庫)

ヘルマンとドロテーア (岩波文庫)ヘルマンとドロテーア (岩波文庫)
(1981/06/16)
ゲーテ

商品詳細を見る

書名:ヘルマンとドロテーア
著者:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
訳者:佐藤 通次
出版社:岩波書店
ページ数:192

おすすめ度:★★★★




ゲーテの恋愛叙事詩として名高いのがこの『ヘルマンとドロテーア』である。
ゲーテといえば、『ファウスト』に代表される奥深い思想性をはらんだ作品を多数残しているドイツ文学随一の文豪であるが、そんな彼の作品の中では、物語の筋も登場人物の感情もストレートに取り扱われているこの『ヘルマンとドロテーア』は、非常に読みやすい部類に入るだろう。
ゲーテという作家を知る上で最適の作品とは言いがたいが、深奥な精神世界を覗き込んでいたというイメージの強いゲーテの、心地よくも意外な一面を垣間見ることのできる名作として、幅広い読者層にお勧めしたい本だ。

『ヘルマンとドロテーア』のストーリーはいたってシンプルなもので、清き心を持つ青年ヘルマンが、悲運に見舞われた美しきドロテーアに出会う、といったものだ。
若者たちの見せる恥じらいや繊細な感情には、読者も温かい微笑をもらすのではなかろうか。
人間味のある登場人物によって構成されている本書は、ゲーテの優しさや美しきものを愛する心が存分に発揮された作品と言っていように思う。

恋愛小説の傑作の一つである『若きウェルテルの悩み』を物しているゲーテだが、当然ながら人の生を根幹から揺るがすような激しい情念ばかりを描いていたわけではない。
接する者をどこか優しい気持ちにしてくれる『ヘルマンとドロテーア』も、その質は違えど、読者の心に何物かを訴えかけることだろう。
本作はゲーテ自身がこよなく愛したものとしても知られていることから、ゲーテに関心のある方は必読の作品である。

文章量も手頃で挿絵も入っているこの岩波文庫版『ヘルマンとドロテーア』、現在Amazonに新品は売られていないようだが、ゲーテの作品の中で最も気軽に手にとることのできる一冊であることは間違いない。
すでにゲーテの作品を読んだことがある方にも、初めてゲーテを読む方にも、いずれにもお勧めできる作品だ。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリ
PR
最新記事
RSSリンク