『呪われた子 他』 バルザック(水声社)

呪われた子 他 (バルザック幻想・怪奇小説選集)呪われた子 他 (バルザック幻想・怪奇小説選集)
(2007/06)
オノレ・ド バルザック

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書名:呪われた子 他(バルザック幻想・怪奇小説選集)
著者:オノレ・ド・バルザック
訳者:私市保彦、奥田恭士、加藤尚宏、芳川泰久、澤田肇、片桐祐
出版社:水声社
ページ数:446

おすすめ度:★★★★




水声社から出されたバルザック幻想・怪奇小説選集の三冊目がこの『呪われた子 他』である。
本書は表題作の『呪われた子』の他に、『サラジーヌ』、『エル・ベルドゥゴ』、『不老長寿の薬』、『フランドルのキリスト』、『砂漠の情熱』、『神と和解したメルモス』、『続女性研究』の全八編を収録しており、いずれも人間喜劇にその名を連ねる作品である。
多少マニアックな感じがすることは否めず、やや一般受けはしにくい本かもしれないが、バルザックのファンであれば必ずや楽しめる一冊であろう。

この『呪われた子 他』は、収録作品のすべてが幻想・怪奇小説というわけでもないようだ。
幻想的な雰囲気を帯びていると断言できるのは、『不老長寿の薬』、『フランドルのキリスト』、『神と和解したメルモス』の三編である。
その他の作品も、幾分常識を超えた不思議な物語ではあるものの、幻想・怪奇と聞けばポーやホフマンを思い浮かべてしまう私にすれば、幻想・怪奇というくくりがあまり適切ではないように思われた。
とはいえ、膨大なる作品群から成る人間喜劇の神秘的な一面に触れることのできる選集として重宝することは間違いないだろう。
知られざる傑作―他五篇 (岩波文庫)知られざる傑作―他五篇 (岩波文庫)
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バルザック

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オノレ・ド バルザック

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『エル・ベルドゥゴ』と『砂漠の情熱』は、岩波文庫の『知られざる傑作―他五篇』にも収録されている。
また、『続女性研究』の中のグランド・ブルテーシュにまつわるエピソードが、『グランド・ブルテーシュ奇譚』として光文社古典新訳文庫より訳出されている。
もちろんすべての収録作品が重複しているわけではないので、これらもあわせて読まれることをお勧めしたい。

表題作の『呪われた子』だけではなく、本書に訳出された作品の随所に、バルザックらしさが顔を見せている。
人間喜劇に関心を抱いている方は、ぜひ本書を手にしていただきたいと思う。
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