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『蝶』 ヘルマン・ヘッセ(同時代ライブラリー)

蝶 (同時代ライブラリー)蝶 (同時代ライブラリー)
(1992/03/16)
ヘルマン ヘッセ

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書名:
著者:ヘルマン・ヘッセ
訳者:岡田 朝雄
出版社:岩波書店
ページ数:173

おすすめ度:★★★☆☆




ヘッセの詩やエッセイなどから、蝶を主題にしたものや蝶を扱ったものを集めたのがこの『蝶』である。
』などと同様、ヘッセ研究の第一人者であるフォルカー・ミヒェルスの編集による本であり、ヘッセ自身が編んだ作品というわけではないが、幼い頃に蝶の収集に熱を上げていたことのあるヘッセが抱いていた蝶への思いがよく表されている一冊であると思う。
ヘッセという作家の中に占める蝶の位置付けの重要さはもちろんのこと、読者は蝶の美しさをも、再認識させられることだろう。

本書『蝶』は、制作年代の非常に幅広い、九つの散文と十一の詩から成っている。
インドでの体験を綴った散文、蝶のはかない命をうたった詩など、いずれもヘッセらしい哀愁に満ちたものが多く、それだけ味わい深いものばかりだ。
中でも、幼き日の思い出を語った『クジャクヤママユ』という散文が最も私の心に残っている。
ヘッセを好きな読者であれば、それぞれお気に入りの作品が見つかるに違いない。

『蝶』にはたいへん多くの蝶の挿絵や写真が入っているのもうれしい。
蝶といえばその姿形はもちろんのこと、極彩色の羽の帯びる美しさも最大の魅力の一つであるが、本書には彩色された銅版画がカラー版ならではの美しさをもって印刷されている。
蝶に詳しい方は興味を持って眺められることだろうし、私のように具体的な蝶の名称にきわめて疎い人間でも、ヘッセの散文や詩文を鑑賞する際の大きな助けとなってくれる。

ヘッセ自身の編集による本ではないから当然といえば当然かもしれないが、『』と同じく、この『蝶』も決してヘッセの代表的な作品には数えられることがない。
とはいえ、『蝶』にはテーマを絞った本特有の楽しみがあり、ヘッセのファンであれば一読の価値がある本だと思う。
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