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『獅子座の流星群』 ロマン・ロラン(岩波文庫)

獅子座の流星群 (1958年) (岩波文庫)獅子座の流星群 (1958年) (岩波文庫)
(1958)
ロマン・ロラン

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書名:獅子座の流星群
著者:ロマン・ロラン
訳者:片山 敏彦
出版社:岩波書店
ページ数:188

おすすめ度:★★★☆☆




ロマン・ロランの戯曲の中で、数少ない文庫本として翻訳されたものの一つがこの『獅子座の流星群』である。
愛と死との戯れ』と同様に、フランス革命を題材にした連作のうちの一編で、その終曲に当たる作品であるようだ。
連作中の他の作品との内容的な結びつきが強く、登場人物の重複や他作品中の出来事への言及もあるが、そこは訳注が補ってくれるので、他の作品を読まずに『獅子座の流星群』だけを手にしたところで、さほど支障はないに違いない。

スイスに亡命して肉体労働に従事しながら暮らしている老公爵とその息子である伯爵のもとに、同じくフランスを追われたジャコバン党員が、二人の子供を連れて逃れてくる。
しかし、公爵とそのジャコバン党員とは、政治上の抗争を経るのみならず、家族関係においても含むところのある、かつての仇敵同士だったのだ・・・。
おそらく年老いた二人の怨嗟に満ちたやり取りの推移が読みどころとなるであろうし、ロランが登場人物の口を通して語らせる、徐々に権力を掌握しつつあるナポレオンに対する評言も大いに興味深いものがある。

反戦と非暴力を主張してやまなかった平和論者ロランの手になる作品であることを考え合わせれば、非常にロランらしい作品である『獅子座の流星群』の展開はおろか、その終幕に至るまで、読者が意外な感に打たれることは少ないはずだ。
それにもかかわらず『獅子座の流星群』が読者を楽しませることができるのは、主題の不滅の美しさによるのではなかろうか。

出版年が古く、しばしば今日では常用とは思えない漢字に出くわすこともあるが、ロランとも交友のあった片山氏の翻訳は概ねとても読みやすいものであると言えると思う。
「ロマン・ロランと劇芸術」と題された解説も充実しているので、ロランの戯曲に関心のある方ならば、ぜひ『愛と死との戯れ』と合わせて本書を読んでみていただきたい。
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