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『サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇』 オスカー・ワイルド(新潮文庫)

サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇 (新潮文庫)サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇 (新潮文庫)
(1953/04/10)
オスカー ワイルド

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書名:サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇
著者:オスカー・ワイルド
訳者:西村 孝次
出版社:新潮社
ページ数:355

おすすめ度:★★★★★




表題作である『サロメ』と『ウィンダミア卿夫人の扇』に加え、『まじめが肝心』をも収録した本書は、ワイルドの戯曲大全と言ってもいいほど内容が充実している。
決して戯曲作品の数が多いわけではないワイルドだが、彼の作品から代表的なものを三つ選ぶとしたら、おそらくこの選択になることだろう。
戯曲家としてのワイルドの魅力を堪能することのできるいわばベスト版なので、あまりワイルドに興味のない方も、ぜひ一度読んでみていただければと思う。

『ウィンダミア卿夫人の扇』と『まじめが肝心』は、ジャンルとしてはいずれも喜劇に分類されており、ちょっとした行き違いが愉快な事態へと発展していく『まじめが肝心』のほうは、特に滑稽味が強い作品だ。
「まじめであること」の義である"Being Earnest"が、登場人物のアーネストの存在と重なるという面白みのある作品なので、そこを意識して読めばいっそう滑稽に感じられることだろう。
その一方で、上流家庭の秘密を扱った『ウィンダミア卿夫人の扇』の終幕には、笑って済ますことのできない独特の味わいがある。
どちらの作品も、通俗的と言ってしまえばそれまでなのかもしれないが、構成が整っているのはもちろん、小道具を巧みに用いたり、語呂合わせで面白みを加味したりと、戯曲家としてのワイルドの手腕が存分に発揮された見事な作品に仕上がっているのは事実であり、一度原作を読めば、これらの作品が21世紀に入ってもなおしばしば映像化されたり上演されたりしていることにもうなずけるはずだ。

サロメ』に関しては、オーブリー・ビアズリーの挿絵を楽しむことができる岩波文庫版をお勧めしたい気持ちもあるのだが、同時に『ウィンダミア卿夫人の扇』と『まじめが肝心』を読むことのできる新潮文庫版も、非常に魅力的な選択肢ではあるはずだ。
ビアズリーを楽しむことこそできないが、訳文の読みやすさなどから言えば、新潮文庫版に軍配が上がるのかもしれない。
いずれにしても、傑作三編を収めたこの一冊は読み応えがあること疑いなしだ。
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