『マクベス』 シェイクスピア(新潮文庫)

マクベス (新潮文庫)マクベス (新潮文庫)
(1969/08)
シェイクスピア

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書名:マクベス
著者:ウィリアム・シェイクスピア
訳者:福田 恒存
出版社:新潮社
ページ数:162

おすすめ度:★★★★★




シェイクスピアの四大悲劇の一つである『マクベス』。
四大悲劇の出来栄えに関して順位をつけるとすると、おそらくそれぞれの読者が異なった判定を下すことになるだろうが、幻想的かつ運命的な筋書きを持つ点で他の三作と若干雰囲気の異なるこの『マクベス』は、読者の嗜好に応じて一位か四位という順位を獲得することが多いのではないかという気がする。
シェイクスピアにしては比較的短めの作品ということもあるのかもしれないが、伏線の多用によって構成自体はとても緊密に仕上がっているように感じられ、そこも好みが分かれるところなのではなかろうか。
しかし、いずれにしても『マクベス』が戯曲として傑作の域に達しているということに異を唱える人はきわめて少ないように思う。

スコットランドの一将軍として華々しい戦果を挙げたマクベスは、その帰途において未来のことを言い当てる魔女に遭遇する。
城に戻り、現スコットランド王であるダンカンから武功をねぎらわれるも、魔女の言っていた言葉、すなわちマクベスこそが後のスコットランドの王になるという予言が気にかかって仕方のないマクベスとその妻は・・・。
いかにもシェイクスピアらしい、些細な言葉尻をとらえた劇の展開は、読者にシェイクスピアの劇作家としての巧みさを感じさせるに違いない。
マクベス (岩波文庫)マクベス (岩波文庫)
(1997/09/16)
シェイクスピア

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マクベス (光文社古典新訳文庫)マクベス (光文社古典新訳文庫)
(2008/09/09)
ウィリアム シェイクスピア

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シェイクスピア作品の中で、日本においてよく読まれているものの一つである『マクベス』は、当然ながら翻訳の種類も豊富である。
新訳が必ずしもその質において古くからあるものを上回るわけではないが、世代が変われば読者が平明と感じる言葉遣いなども変化するだろうから、古い言い回しなどを避けたい方はとりあえず出版年を参考にするのが無難な選抜法であるとは言えるかもしれない。

代表的な作品を数多く持つシェイクスピアだけに、四大悲劇をすべて読んでも非常に偏ったシェイクスピア像しか描くことはできないように思うが、そうは言ってもやはりシェイクスピアが類まれな才能を発揮したのが悲劇というジャンルであることに変わりはなく、四大悲劇は読破しておくことをお勧めしたい。
そして他の作品との比較対照によってその特徴がいっそう浮き彫りになる『マクベス』を心行くまで楽しんでもらえればと思う。
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