『テンペスト』 シェイクスピア(ちくま文庫)

テンペスト―シェイクスピア全集〈8〉 (ちくま文庫)テンペスト―シェイクスピア全集〈8〉 (ちくま文庫)
(2000/06)
ウィリアム シェイクスピア

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書名:テンペスト
著者:ウィリアム・シェイクスピア
訳者:松岡 和子
出版社:筑摩書房
ページ数:186

おすすめ度:★★★★




シェイクスピアがストラトフォード・アポン・エイヴォンに引退する前の最後の作品として知られるのがこの『テンペスト』だ。
”Tempest”が「嵐」を意味するため、邦題としては『あらし』も広く一般的に用いられているが、近年ではひょっとすると『テンペスト』という片仮名表記が優勢になりつつあるのかもしれない。
喜劇に分類される作品であるために非常に読みやすいにもかかわらず、深読みも可能な作品であり、執筆の背景などの点で言えばシェイクスピア作品で最も興味深いものの一つに数えられるのではなかろうか。

ミラノを追われた元大公プロスペローは、今はひっそりと娘と孤島で暮らしている。
魔法の知識を得た彼は、配下の精霊に命じて自らに仇をなした肉親の乗る船を嵐に遭わせ、乗船している人々を自身の住む島に漂着させる。
復讐をするには絶好の機会を得たプロスペローは・・・。
シェイクスピアの肉声とも思えるような台詞が散在する『テンペスト』は、読者の側で注意を払えば払っただけ奥行きが生じてくる作品であるはずなので、ぜひシェイクスピアの肖像を思い浮かべながら熟読してみていただきたいと思う。
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シェイクスピア

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映像化作品としてお勧めしたいのは、いろいろな意味合いで野心的な作品である右の『テンペスト』だ。
映画というよりは舞台風の演出も随所に見られ、精霊の取り扱い方も特徴的で、そして何より、プロスペローを女性に置き換えるという一大変更を加えており、たいへん興味深い作品に仕上がっているように思う。
また、新潮文庫からは『夏の夜の夢・あらし』として二作品を一冊に合わせた文庫本も出されているので、お得さで選ぶなら新潮文庫といえるだろう。

シェイクスピア作品の導入として読むよりは、複数作品を読んだ上で『テンペスト』を紐解かれることをお勧めしたい。
シェイクスピアに対する思い入れが強まれば強まるだけ、シェイクスピア自身に共通するところの多い主人公により強い共感を覚えることができるに違いない。
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