『ソネット集』 シェイクスピア(岩波文庫)

ソネット集 (岩波文庫 赤 205-5)ソネット集 (岩波文庫 赤 205-5)
(1986/11/17)
シェイクスピア

商品詳細を見る

書名:ソネット集
著者:ウィリアム・シェイクスピア
訳者:高松 雄一
出版社:岩波書店
ページ数:295

おすすめ度:★★★★




戯曲の作者としてのみならず、優れた詩人としての評価も高いシェイクスピア。
そんなシェイクスピアの詩作の才を垣間見てみたいという読者に最もお勧めしたい一冊がこの『ソネット集』だ。
様々な題材で書かれた詩を集めた詩集というわけではなく、概ね一定の脈絡に沿ったソネットが並んでいる本なので読みやすい上に、幾多の謎が散りばめられている作品であるため、『ソネット集』に対する読者の関心は尽きないことだろう。

『ソネット集』は、シェイクスピアが愛したとされる一人の青年に向けて書かれたソネットが大半を占めている。
諸説はあるものの、その青年が誰であるかは結局特定できていないし、通称「ダークレディ」と呼ばれる妖艶な女性の存在もまた文学史家たちの憶測に次ぐ憶測を呼んでいる状態だ。
そういう意味では、たいていの詩集を超えた面白さを秘めていると言えるのではなかろうか。
W・H氏の肖像 (プラネタリー・クラシクス)W・H氏の肖像 (プラネタリー・クラシクス)
(1989/09)
オスカー ワイルド

商品詳細を見る

ソネット自体の内容の吟味もさることながら、それがいつ誰に向けて書かれたものなのかを同定しようとする試みが長らく重ねられてきた『ソネット集』。
その読者にお勧めしたい本が、岩波文庫版『ソネット集』の解説でも触れられているオスカー・ワイルドによる右の『W・H氏の肖像』だ。
献辞で述べられているW.H氏とはいったい何者なのかについて、ワイルド独自の説を小説風に仕立てた一冊で、その学術的な価値はともかく、文学的にはきわめて興味深い著作であることは間違いない。

詩というジャンルに関心の持てない方も少なくないだろうし、詩の翻訳は不可能であると考えておられる方もおられることだろう。
しかし、単なる詩作品としての楽しみ方以外にも、読者の知的好奇心をくすぐるという面白さを備えた『ソネット集』は、詩をあまり好まれない方でも楽しめる可能性を十分に備えた作品だ。
まして著者は有名極まりないあのシェイクスピアなのだから、一読の価値はあるように思う。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリ
PR
最新記事
RSSリンク