『十二夜』 シェイクスピア(岩波文庫)

十二夜 (岩波文庫)十二夜 (岩波文庫)
(1960/03/25)
シェイクスピア

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書名:十二夜
著者:ウィリアム・シェイクスピア
訳者:小津 次郎
出版社:岩波書店
ページ数:173

おすすめ度:★★★★




シェイクスピアの喜劇の中でも特に評判の高い作品の一つである『十二夜』。
原題である"Twelfth Night"は、日本語としては文字通り『十二夜』であるが、本来はクリスマス後の十二日目である顕現日の夜のことを指している。
それでいて、作中においては直接的に十二夜を指し示すような台詞はなく、明確にされていない執筆年代も含めて、研究者の間では何かと議論の対象となっているようである。
そうはいっても、一般の読者が鑑賞する分にはまったく難解さの感じられない読みやすい作品であるため、幅広い読者層に受け入れられうる作品ではないかと思う。

『十二夜』の中心人物は、ヴァイオラとセバスチャンという、容姿のそっくりな双子の兄妹。
二人の乗った船が嵐に遭い、それぞれ助かりはしたものの、嵐の最中に別れ別れになった二人はお互いが死んだものと思い込んでいたのだが・・・。
人違いから生じる滑稽味という喜劇としてはやや典型的なプロットは、それほど意外性こそないものの、安心して読み進めることのできる筋書きであるといえるのではなかろうか。
十二夜 (光文社古典新訳文庫)十二夜 (光文社古典新訳文庫)
(2007/11/08)
シェイクスピア

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(1998/09)
W. シェイクスピア

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右に挙げるように、『十二夜』には翻訳の種類も豊富だ。
翻訳の種類が多ければすなわち名作というわけではないにせよ、複数の出版社によって、多くの読者が楽しめる作品であるととらえられていることは事実だろう。
翻訳にそれといってこだわりのない方には、新品が安価で購入可能な岩波文庫と光文社古典新訳文庫とをお勧めしたい。

テンポよく軽快にストーリーが進んでいく『十二夜』は、シェイクスピアの人物造形における偉大さを感じ取るための作品としては少々不適切かもしれない。
しかし、喜劇作品の場合は、登場人物の心理にあまり深く立ち入ってしまっては劇としての面白みが削がれることにもなるだろう。
そういう意味では、各登場人物を適度に描ききった『十二夜』の喜劇作品としての仕上がりは見事と言うべきで、『十二夜』の読者はもれなくその見事さを味わっていただけるのではないかと思う。
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