『から騒ぎ』 シェイクスピア(白水Uブックス)

から騒ぎ  シェイクスピア全集 〔17〕 白水Uブックスから騒ぎ シェイクスピア全集 〔17〕 白水Uブックス
(1983/01)
ウィリアム・シェイクスピア

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書名:から騒ぎ
著者:ウィリアム・シェイクスピア
訳者:小田島 雄志
出版社:白水社
ページ数:171

おすすめ度:★★★★




いかにもシェイクスピアらしい、イタリアを舞台にした喜劇作品の一つがこの『から騒ぎ』である。
たいていの喜劇作品は、筋の愉快さのみならず軽妙な言葉のやり取りが滑稽味を醸し出すものであるが、この『から騒ぎ』においては言葉で遊ぶという性格がきわめて強く、その方面においてはシェイクスピアの代表作と言っても過言ではないはずだ。

『から騒ぎ』は戦を終えた大公の一行が立ち寄った屋敷が舞台。
心地よい友人付き合いの最中に縁談話も持ち上がるという、とても和気あいあいとした雰囲気の中、大公を嫌う彼の弟だけが悪だくみをめぐらせて、結婚を控えた貞淑な乙女に濡れ衣を着せて憂さ晴らしをしようともくろむが・・・。
『から騒ぎ』には機知に富んだ口喧嘩の絶えない若い男女も登場し、どことなく『じゃじゃ馬馴らし』を髣髴とさせるところがある。
また、言い間違いだらけの道化た登場人物にも事欠かず、全般に喜劇としての仕上がりは上々と言えるはずだ。
じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ (新潮文庫)じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ (新潮文庫)
(1972/01/29)
シェイクスピア

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から騒ぎ シェイクスピア全集 17 (17) (ちくま文庫 し 10-17)から騒ぎ シェイクスピア全集 17 (17) (ちくま文庫 し 10-17)
(2008/10/08)
W. シェイクスピア

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シェイクスピアの喜劇の中ではよく読まれている部類に入る『から騒ぎ』には、現在複数の翻訳がある。
私自身は小田島氏の訳文で読んだので今回はそちらをメインで紹介させていただいているが、原文におけるシェイクスピアの数多くの洒落を日本語に移す際には、単語のチョイスや語感など、誰が訳すのかによって訳文に大いに差の出てくるところでもあろう。
きわめて巧みな言葉遊びの施された小田島氏の翻訳は非常にお勧めだが、『じゃじゃ馬馴らし』をも併録した新潮文庫版が価格的には最も手頃な一冊であることは間違いない。

『から騒ぎ』はその成立過程などをとことん詮索することも可能のようであるが、そこらへんを度外視して作品自体を読むだけでも十分楽しめることだろう。
ぜひ気楽に読んでみていただきたい作品の一つだ。
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