『恋の骨折り損』 シェイクスピア(白水Uブックス)

シェイクスピア全集 (〔9〕) (白水Uブックス (9))シェイクスピア全集 (〔9〕) (白水Uブックス (9))

書名:恋の骨折り損
著者:ウィリアム・シェイクスピア
訳者:小田島 雄志
出版社:白水社
ページ数:195

おすすめ度:★★★☆☆




シェイクスピア初期の頃の喜劇作品の一つがこの『恋の骨折り損』である。
全体を通してとても明るい雰囲気の中で進行していく作品で、おそらくは巧みな言葉遊びが最大の読みどころとなることだろう。
円熟期の作品と比べれば深みに欠けるという印象を受けるかもしれないが、その分だけ気軽に手にしていい作品であるとも言えるはずだ。

ナヴァール王とその臣下の貴族たちは、向こう3年の間、禁欲的な生活を営み、学問に精進すると誓いを立てた。
美食はもちろん、恋愛沙汰などもってのほか。
しかし、そんな誓いを立てたばかりのナヴァール王を美しいフランス王女に率いられた一行が訪れたものだから・・・。
『恋の骨折り損』には強烈なインパクトを備えた登場人物はいないが、四方八方から頓知や揶揄が飛び交い続ける、大いに活気を帯びた作品であることは間違いないだろう。
恋の骨折り損 シェイクスピア全集 16 (ちくま文庫 し 10-16)恋の骨折り損 シェイクスピア全集 16 (ちくま文庫 し 10-16)

『恋の骨折り損』は、例によってちくま文庫からも出されている。
松岡和子女史の個人訳による文庫版のシェイクスピア全集を現在刊行中ということで、シェイクスピアの全作品を集めたい方はこちらで揃えてみるのもいいかもしれない。

シェイクスピアの喜劇といえば、機知に富んだ台詞の掛け合いと手の込んだプロットが長所として挙げられるはずだが、『恋の骨折り損』においてはその筋書きがやや平板なものとなっている。
個人的には『恋の骨折り損』が退屈な喜劇であるとはまったく思わないが、シェイクスピアの作品に対する期待値が非常に高いだけに、少々物足りなさを感じてしまう読者がいても不思議はないように思う。
そうはいっても、あらすじ重視ではない方や、シェイクスピアの喜劇作品を一つでも多く読みたいという方は、必ずや満足されるに違いない一冊だ。
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