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『パンセ』 パスカル(中公文庫)

パンセ (中公文庫)パンセ (中公文庫)

書名:パンセ
著者:ブレーズ・パスカル
訳者:前田 陽一、由木 康
出版社:中央公論新社
ページ数:644

おすすめ度:★★★★




哲学や神学、物理学や数学など、多方面において顕著な才能を発揮したパスカルの手になる哲学的断章を編集し、一冊にまとめたものがこの『パンセ』である。
パスカルと言えば「人間は考える葦である」が最も有名だが、この名言も本書『パンセ』に由来するものである。
断章を集めたものであるだけに、一冊の本としてのまとまりには欠けるかもしれないが、断片をつなぎ合わせるジグソーパズルのような楽しみ方も可能となるように思う。

『パンセ』には、一行で終わるものから十ページに及ぶものまで、千近くの断章が収められている。
「考える葦」をはじめ、「幾何学の精神と繊細の精神」や「賭け」など、パスカル独自の思想がふんだんに盛り込まれた一冊となっているため、読者の興味は尽きないに違いない。
早熟の天才と呼ばれるだけあり、随所でパスカルの鋭敏な精神に触れることができるはずだ。

しかしながら、『パンセ』の難点というか、一般読者を遠ざけてしまう点は、宗教談義の多さにあるように思う。
中公文庫版においても、本文全600ページ程度のうち、その400ページ以上は神や信仰をテーマとした断章となっているため、キリスト教の話にそれほど興味のない読者であれば、必ずや途中で投げ出してしまうことだろう。

そうはいっても、「人間は考える葦である」という思想の根本にもパスカルの宗教観が横たわっているわけで、パスカルを知りたければ彼の魂の根幹を占めていたキリスト教思想を避けて通ることはできないはずだ。
むしろ、断章形式である『パンセ』は、読破せずともある程度ならパスカル思想のエッセンスを汲み取ることが可能であるし、飛ばし読みでも十分楽しめるものなのかもしれない。
敷居の低い作品であるとは言い難いが、思想書に挑戦してみようと考えている読者が手にするなら、『パンセ』が手頃なのではなかろうか。
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