『ヘンリー六世 第一部 第二部 第三部』 シェイクスピア(白水Uブックス)

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書名:ヘンリー六世 第一部 第二部 第三部
著者:ウィリアム・シェイクスピア
訳者:小田島 雄志
出版社:白水社
ページ数:201(1)、214(2)、209(3)

おすすめ度:★★★★★




シェイクスピア最初期の頃の歴史劇、『ヘンリー六世 第一部 第二部 第三部』。
例によって成立過程や執筆時期などについては不確定な要素が多いようだが、薔薇戦争という激動の時代を描いた『ヘンリー六世』の波乱に富んだあらすじは、そのような文学史上の研究事項を忘れさせ、読者を強く作品世界に引き付けるに違いない。
作品の内容的に先王を描いた『ヘンリー五世』に連なるだけでなく、後のリチャード三世であるグロスター公も主要登場人物の一人として登場しており、傑作と名高い『リチャード三世』とも直接的につながる作品であるため、シェイクスピアの歴史劇の中でも重要度が高い一冊と言えるのではなかろうか。

『ヘンリー六世』はイングランドとフランスを舞台としている。
第一部では、ヘンリー五世が獲得したフランス内の領土においてフランス軍の反撃を受ける。
作中にジャンヌ・ダルクも登場するが、シェイクスピアの描くジャンヌ・ダルクは、イギリス視点によるとでもいうのか、たいへん特徴的で興味深い。
第二部、第三部ではイギリス国内におけるランカスター家とヨーク家との血で血を洗う争いが主なテーマとなる。
『ヘンリー六世』を読むにあたり、歴史の知識は必須ではないだろうが、やはりある程度は把握しているほうがいっそう楽しめることだろう。
ヘンリー六世 シェイクスピア全集 19 (ちくま文庫 し 10-19)ヘンリー六世 シェイクスピア全集 19 (ちくま文庫 し 10-19)

『ヘンリー六世』はちくま文庫のシェイクスピア全集からも既刊である。
こちらは第一部から第三部までを一冊にまとめており、三作が切り離して考えることのできないものであることを改めて認識させられる一冊となっている。

中には『ヘンリー六世』が全三冊であることによって手を出しにくいと感じられる読者もいるかもしれないが、全三冊であるからこそ感じられる奥行きが『ヘンリー六世』にはある。
まして傑作として名高い『リチャード三世』と合わせて四部作であるということを思えば、個人的には『ヘンリー六世』を高く評価せざるをえない。
実際、『ヘンリー六世』を読んでいるかどうかで『リチャード三世』の印象も大きく変わってくるはずだ。
シェイクスピアの歴史劇に興味のある方は、ぜひこの『ヘンリー六世』を手にしてみていただければと思う。
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