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『カサノヴァの帰還』 シュニッツラー(集英社)

カサノヴァの帰還カサノヴァの帰還

書名:カサノヴァの帰還
著者:アルトゥル・シュニッツラー
訳者:金井 英一、小林 俊明
出版社:集英社
ページ数:237

おすすめ度:★★★★★




主に戯曲や短編・中篇作品によって知られるシュニッツラーの長編作品の一つがこの『カサノヴァの帰還』だ。
伝説の放蕩児であるカサノヴァを主人公に迎えた本作は、読者が自ずとあらすじに引き付けられてしまう作品に仕上がっている。
愛と欲望を描き続けたシュニッツラーが選ぶ主題としては誠にふさわしく、小説としての出来栄えも申し分がないので、幅広い読者層にお勧めしたい一冊だ。

50歳を過ぎ、追放となった故郷ヴェネツィアへの帰還を強く願い始めたカサノヴァ。
ヴェネツィアの元老院から帰郷が許されかけていた頃、その昔にほんの気まぐれから恩を与えた男に会う。
カサノヴァのおかげで結婚できたといっても過言ではないその男は、自分の屋敷にカサノヴァをしつこく招待し、断りきれずにカサノヴァもそれを受けることに。
その館で、カサノヴァはまた魅力的な女性に出会ってしまったものだから・・・。
『カサノヴァの帰還』を読み始める前に、読者はカサノヴァという有名な主人公に対して何らかのイメージを持っているはずで、それだけすんなりと作品世界に入り込めるに違いない。
カサノヴァの帰還 (ちくま文庫)カサノヴァの帰還 (ちくま文庫)

『カサノヴァの帰還』はちくま文庫からも出されているようだ。
表紙も同じなら訳者も一緒で、内容としてはまったく同じものなのだろう。
ただ、集英社の単行本のほうには妖艶な雰囲気を強める上で大いに効果のある挿絵が複数挿入されていたが、もし文庫本のほうにそれがないとしたら、少々惜しいと言わざるをえない。

この『カサノヴァの帰還』がそれほど知名度の高い作品であるとは思えないが、主人公のインパクト性の強さもあり、読者はみなストーリーテラーとしてのシュニッツラーの腕前に引き込まれること疑いなしだ。
シュニッツラーのファンの方はもちろん、シュニッツラーを初めて読まれる方にもお勧めしたい、そんな作品だ。
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No title

ちくま文庫版も挿絵はありました。ご参考まで。

コメントありがとうございます

ちくま文庫版にも挿絵があるとわかり、うれしく思います。
文庫版で単行本の雰囲気が損なわれていないのは何よりです。
コメントありがとうございました。
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