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『センチメンタル・ジャーニー』 ロレンス・スターン(岩波文庫)

センチメンタル・ジャーニー (岩波文庫 赤 212-4)センチメンタル・ジャーニー (岩波文庫 赤 212-4)
(1952/10/25)
スターン

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書名:センチメンタル・ジャーニー
著者:ロレンス・スターン
訳者:松村 達雄
出版社:岩波書店
ページ数:214

おすすめ度:★★★★




ロレンス・スターン晩年の作品がこの『センチメンタル・ジャーニー』だ。
『センチメンタル・ジャーニー』だけでも十分鑑賞に値するが、『トリストラム・シャンディ』と重複する部分もあるので、どちらか一方を選ぶというのであれば、『トリストラム・シャンディ』を読むべきだろう。

『センチメンタル・ジャーニー』は、『トリストラム・シャンディ』に登場する牧師ヨリックのフランスでの体験記という形式を採っているが、スターンは牧師であったし、静養のために大陸旅行を経験してもいるので、スターンがヨリックの名を借りて自らの体験をつづっているとする見方が一般的のようだ。
トリストラム・シャンディ』と同じくゆったりとした進みぶりで、こちらもまた未完に終わってしまったが、スターンの文章が帯びるしっとりとした味わい深さは備えている。

スターンの魅力は、独特なユーモアセンスだけではなく、人情味あふれる筆致にもある。
人情味を素直に表現しすぎるあまり、牧師のくせにずいぶんとふしだらな人間だと評されることもあるようだが、同じ牧師が書いたものでも説教集なんかよりはよほど人間的で面白い作品に仕上がっているのは間違いない。
『センチメンタル・ジャーニー』には、牧師ならではの他者を慮る気持ちも表れているし、病を患う人間ならではの線の細さも感じられる。

朝日出版社からも小林亨氏の翻訳で出版されていて、実を言うと私が読んだのはそちらの方なので、岩波文庫版の『センチメンタル・ジャーニー』は確認したことがない。
版が古いので活字の古さや多少の読みにくさはあるのかもしれないが、朝日出版社の方はアマゾンに登録されていなかったので、岩波文庫版を紹介せざるをえないというのが現状だ。
そしてその岩波文庫版も長らく欠品が続いている。
漱石も高く評価していたスターンが、日本で日の目を見るときはやってこないのだろうか・・・。

職業作家ではなかったスターン、体調を崩しがちだったスターンの小説作品は、いずれも未完の『トリストラム・シャンディ』と『センチメンタル・ジャーニー』だけであるから、バルザックやディケンズなんかと比べるとはるかに簡単に読破できる。
優しさと温もりのあふれるスターンの小説を、ぜひ読破していただきたい。
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