『ピクウィック・クラブ』 ディケンズ(ちくま文庫)

ピクウィック・クラブ〈上〉 (ちくま文庫)ピクウィック・クラブ〈上〉 (ちくま文庫)
(1990/02)
チャールズ ディケンズ

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ピクウィック・クラブ〈中〉 (ちくま文庫)ピクウィック・クラブ〈中〉 (ちくま文庫)
(1990/03)
チャールズ ディケンズ

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ピクウィック・クラブ〈下〉 (ちくま文庫)ピクウィック・クラブ〈下〉 (ちくま文庫)
(1990/04)
チャールズ ディケンズ

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書名:ピクウィック・クラブ
著者:チャールズ・ディケンズ
訳者:北川 悌二
出版社:筑摩書房
ページ数:515(上)、493(中)、497(下)

おすすめ度:★★★★★




ボズのスケッチ』がディケンズのデビュー作だとすれば、『ピクウィック・クラブ』は彼の初の長編作品であり、イギリス中にその名を知らしめた出世作でもある。
発行当時、多くの人間が連載の次の号が出るのを首を長くして待ち焦がれていたというのだから、その人気は絶大だったに違いない。

『ピクウィック・クラブ』は、ピクウィック氏という好人物を中心とした行き当たりばったりの珍道中なので、これといったメインテーマもなければ、明確な筋書きがあるわけでもない。
このことを指摘し、『ピクウィック・クラブ』は構成に難があるという向きもいるようだが、構成が悪い、もしくは構成がなかったとしても、読者を楽しませることのできる読み物というのは存在するのではなかろうか。
『ピクウィック・クラブ』がその最たる例で、分析的な視点を捨て、ただただ蛇行するストーリー展開に身を任せてディケンズ・ワールドを楽しんで欲しいと思う。
ピクウィック氏の高尚な人格、道中を共にする愉快な仲間たち、素敵な人々との出会いに加え、不運な争いに巻き込まれたりと、ふんだんに散りばめられた読みどころを読み進めていくうちに、きっと多くの人が次号を待ち焦がれていた理由がわかるに違いない。

ただ少し退屈なのは、登場人物の口を通して語られる、本筋とは関係のない物語だろうか。
セルバンテスを愛読していたディケンズらしい手法であるともいえようが、穴を開けることのできない連載という都合上、ページ数稼ぎの意図もあって、過去に仕上げた短編を放り込んでいたらしい。

ある作家の出世作というものは広く翻訳され、代表作の一つとみなされるのが普通だが、『ピクウィック・クラブ』は入手が難しいのが現状だ。
欠点こそあるものの、それを補って余りある素晴らしい作品であるのに加え、ちくま文庫版には挿絵も豊富に挿入されているので、中古品でも構わないのでぜひ読んでみていただきたい。
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