『ジェイン・エア』 シャーロット・ブロンテ(岩波文庫)

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書名:ジェイン・エア
著者:シャーロット・ブロンテ
訳者:河島 弘美
出版社:岩波書店
ページ数:448(上)、528(下)

おすすめ度:★★★★★




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ブロンテ姉妹のひとりであるシャーロットの代表作がこの『ジェイン・エア』である。
主人公ジェインの心情を優しく細やかに描き上げた作品で、物語性の強さと読みやすい文体も相まって、幅広い読者層の共感を呼ぶこと間違いなしの作品だ。
名作として名高い『ジェイン・エア』は何度も映像化されているが、右に挙げたミア・ワシコウスカ主演のものが最新の映画作品になるように思う。
それほど広く話題になったわけではないにせよ、決して映画としての出来は悪くないので、『ジェイン・エア』の読者には強くお勧めしたい。

幼くして孤児となったジェインは、恵まれない幼年時代を過ごした後に、とある貴族の家で家庭教師として働くことになったのだが、その屋敷には何かが隠されているらしく・・・。
純真で少々神秘的な性質を持つジェインは、物語が始まってから終わるまでの間、常に読者の関心を引き付けてやまないはずだ。
また、妹であるエミリーの『嵐が丘』と読み比べてみると、両者の筆致の違いなどが窺えて大いに興味深いことだろう。
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『ジェイン・エア』には複数の翻訳があるが、岩波文庫、新潮文庫と光文社古典新訳文庫が入手しやすいものの代表格ではなかろうか。
文章量の少なくない『ジェイン・エア』は、いずれも二分冊で出版されているにもかかわらず、それほど長さを感じさせない作品なので、気軽に読み始めていただければと思う。

発表当時に『ジェイン・エア』が流行したのは、ジェインに当時の風潮に反抗する芯の強い女性像としての斬新さがあったかららしい。
今となってはジェインのような心の持ち方は普通になってしまったかもしれないし、むしろだいぶ控えめな女性にさえ感じられるが、それでも美しい輝きとでも呼べるものを帯びたジェインの生き様は多くの読者を魅了し続けることだろう。
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