『ニコラス・ニクルビー』 チャールズ・ディケンズ(こびあん書房)

ニコラス・ニクルビー (上)ニコラス・ニクルビー (上)
(2001/04)
チャールズ・ディケンズ

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ニコラス・ニクルビー (下)ニコラス・ニクルビー (下)
(2001/04)
チャールズ・ディケンズ

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書名:ニコラス・ニクルビー
著者:チャールズ・ディケンズ
訳者:田辺 洋子
出版社:こびあん書房
ページ数:518(上)、510(下)

おすすめ度:★★★★




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ピクウィック・クラブ』、『オリヴァ・ツウィスト』に次ぐ、ディケンズ3作目の長編小説がこの『ニコラス・ニクルビー』である。
比較的初期の作品だけあって、裕福だったニクルビー一家に不幸が訪れるわりには、全体は明るい調子に支配されていて非常に読みやすい。
ディケンズ後期の作品を少々重苦しいと感じられる方も、『ニコラス・ニクルビー』ならすんなり読み進めていただけることと思う。
私はまだ見ていないので紹介するのもいささかおこがましい気がしないでもないが、数年前に『ディケンズのニコラス・ニックルビー』と題して映画化されてもいるらしい。
キャスト等が豪華なので期待していい作品だと予想しているが、実際のところはまだわからない。

タイトルロールであるニコラスは、一家が零落したおかげで、若くして自活を強いられた青年である。
そこで、まずはロンドンに暮らす叔父のつてで、そしてこの叔父というのがなんともいけ好かない男なのだが、それはともかく、ニコラスは田舎の寄宿学校へ教師として赴任することが決まる。
校長一家の生徒たちに対する非道な振る舞いに直面した、実直な青年であるニコラスは・・・。
オリヴァ・ツウィスト』で救貧院を叩いたディケンズが、『ニコラス・ニクルビー』では寄宿学校へ矛先を向けたとみなさずにはいられないが、イギリス社会を少しでも良くしようという社会派作家の面目躍如たる作品であるとも言えようか。

『ニコラス・ニクルビー』には、ニコラスとその妹、そして特筆に価するのはその母だが、ある意味でディケンズ作品に典型的な人物像を多数見出すことができる。
『デイヴィッド・コパフィールド』の登場人物と対照させて読んでみるだけでも、とても興味をそそる作品になるはずだ。
プロットにやや無理がないでもないが、そこは読者の反応を見ながら自作の連載を書き進めていたディケンズのこと、小説もそれなりに奇なり、ということで大目に見てやっていいだろう。

こびあん書房の『ニコラス・ニクルビー』、現在品切れのうえに中古品もあまり出回っていないらしい。
訳文はすでに出来上がっていることだし、どこかの出版社が文庫版でも出してくれることに期待したい。
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