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『マスカラード 仮面舞踏会』 レールモントフ(明窓出版)

マスカラード 仮面舞踏会マスカラード 仮面舞踏会

書名:マスカラード 仮面舞踏会
著者:ミハイル・レールモントフ
訳者:安井 祥祐
出版社:明窓出版
ページ数:169

おすすめ度:★★★☆☆




レールモントフの代表的な戯曲とされるのがこの『マスカラード 仮面舞踏会』である。
この『マスカラード』の上演のためにハチャトゥリアンの『仮面舞踏会』が作曲されたという経緯もあるので、音楽に通じている方の間では意外と知られている作品なのではなかろうか。
現代の読者にとってさほど斬新な筋書きではないかもしれないが、ロシア文化に興味のある方ならば一読の価値はあるように思う。

身分を問わず誰もが参加することができるロシアのマスカラード。
仮面で顔を隠しながら恋愛遊戯にふけろうとする貴族たちも参加しているが、顔が見えないからこそ、不幸な誤解を招くことになり・・・。
戯曲が舞台で演じられるのを見ている場合には役者の服装や年齢層といった多くの情報源があるだろうが、『マスカラード』は登場人物に関する説明的な語句が少ないため、何かと読者の想像力で補って読む必要がありそうだ。

『マスカラード』にはいかにもレールモントフらしい退廃的な雰囲気がよく表れている。
これといった生き甲斐も見出すことができず、話の種といえば賭博と決闘というロシア文学草創期の一つの典型的なスタイルの男性像が描かれているのだが、このような典型を作り上げるのに一役買ったのがレールモントフなのだから、『マスカラード』に典型的な人物が登場するのも当然と言えば当然のことなのかもしれない。

少し残念なことに、本書を読んで訳文がこなれているとは言い難いという印象を受けた。
本書がロシア文学を専門とする研究者による翻訳ではないためなのかもしれないが、そうはいっても、『現代の英雄』を通じてレールモントフに興味を持ったところで他の作品の翻訳がほとんど手に入らないという現状を思えば、『マスカラード』の出版は大いに歓迎すべきことであるように思う。
引き続きレールモントフの他の作品が出版されることに期待したい。
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