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『ザ・ベスト・オブ・サキ』 サキ(ちくま文庫)

ザ・ベスト・オブ・サキ〈1〉 (ちくま文庫)ザ・ベスト・オブ・サキ〈1〉 (ちくま文庫)ザ・ベスト・オブ・サキ〈2〉 (ちくま文庫)ザ・ベスト・オブ・サキ〈2〉 (ちくま文庫)

書名:ザ・ベスト・オブ・サキ
著者:サキ
訳者:中西 秀男
出版社:筑摩書房
ページ数:384(1)、360(2)

おすすめ度:★★★★★




短編小説の名手として高い評価を受けているサキの短編作品のベスト版ともいうべき本がこの『ザ・ベスト・オブ・サキ』である。
そのいささか大胆なタイトルにも決して負けることのない内容を伴っており、サキを初めて読む人にもサキをよく知るファンの方にもどちらにもお勧めできる本になっているように思う。

本書には『アン夫人の寡黙』、『ガブリエル―アーネスト』、『トバモリー』、『スレドニ・ヴァシュター』といった初期作品の有名どころは当然ながら収録されているし、後期作品も主要なものはほとんど押さえられている。
中にはある作品を取りこぼしていると感じる向きもあろうが、2冊で計700ページを超えている本書の場合、それが非常に少ないことだけは間違いない。
サキのような軽妙な作品を書く作家の場合、訳文におけるセンスの良し悪しも大いに重要視されるだろうが、本書の訳文は読みやすいだけでなく、サキの鋭さもよく伝わってくるものとなっていて、その点も問題はないように感じられる。

サキの短編を網羅している観のある『ザ・ベスト・オブ・サキ』に取りこぼしがあるとすれば、舌鋒鋭いニヒリストであるレジナルドの登場する作品群であろうか。
サキが短編作品の中で創造した人物において、クローヴィスに次いで興味深い存在であるのはおそらくレジナルドであろうが、そんな彼の機知を楽しみたい方には、レジナルドの活躍する作品を集めた単行本である『レジナルド』を併せて読まれることをお勧めしたい。

文庫本で言うと、岩波文庫からは『サキ傑作選』が、新潮文庫からは『サキ短編集』が出されていて、それぞれ確実にサキのファンを獲得していたに違いないが、それらの本では紙幅の都合もあってさほど多くの作品が紹介されていなかった。
その点、ちくま文庫の『ザ・ベスト・オブ・サキ』となると、流通量の少なさが大の欠点ではあるものの、サキの作品、それも特に優れたものを数多く読みたいという読者を必ず満足させることができるのではなかろうか。
サキの放つ皮肉、揶揄、いたずらなどのベストな部分を思う存分楽しんでいただければと思う。
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