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『カンタヴィルの幽霊/スフィンクス』 オスカー・ワイルド(光文社古典新訳文庫)

カンタヴィルの幽霊/スフィンクス (光文社古典新訳文庫)カンタヴィルの幽霊/スフィンクス (光文社古典新訳文庫)

書名:カンタヴィルの幽霊/スフィンクス
著者:オスカー・ワイルド
訳者:南條竹則
出版社:光文社
ページ数:313

おすすめ度:★★★☆☆




ワイルドの短編作品4編と詩作品1編を収録しているのが本書『カンタヴィルの幽霊/スフィンクス』である。
スフィンクスというモチーフに重点を置いて編まれた短編集であるため、一冊の本としての統一感は備えているものの、それだけ内容の偏った本であるとも言えると思う。
そういう意味では、ワイルドの読みやすい優れた作品を収めているにもかかわらず、ワイルドの入門書としてはあまりふさわしくないかもしれない。

本書には『アーサー・サヴィル卿の犯罪』、『カンタヴィルの幽霊』、『秘密のないスフィンクス』、『模範的億万長者』、『スフィンクス』の五作品が収録されている。
内容の充実度や紙幅から判断して、ミステリー風の作品である『アーサー・サヴィル卿の犯罪』と、コミカルな幽霊譚である『カンタヴィルの幽霊』が本書の中心的な作品と言えるだろう。
また、『秘密のないスフィンクス』と『模範的億万長者』の二つは、姉妹編とも呼べるほどに類似した精神構造を扱っているように思われる。

本書には、付録としてワイルドと親しかった女流作家であるエイダ・レヴァーソンの作品も数点収められている。
とはいえ、付録としてとらえるには彼女の作品に割かれたページ数が多く、逆に言えば、ワイルドの作品に割かれているのが200ページに満たないというのを本書の欠点と感じる読者も少なくないかもしれない。
この点を考え合わせると、やはり本書はワイルドの入門書としてはふさわしくないような気がしてしまう。

『アーサー・サヴィル卿の犯罪』と『カンタヴィルの幽霊』は、過去にバベルの図書館シリーズ中の一冊として刊行された『アーサー・サヴィル卿の犯罪』にも収録されていたことからもわかるように、いわばワイルドの代表的な短編小説である。
とはいえ、『アーサー・サヴィル卿の犯罪』は現在は入手が困難なので、本書が読み物としてたいへん面白いワイルドの両作品を普及させることを期待したいと思う。
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