スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『ゲーテを語る―講演集』 トーマス・マン(岩波文庫)

ゲーテを語る―講演集 (岩波文庫)ゲーテを語る―講演集 (岩波文庫)

書名:ゲーテを語る―講演集
著者:トーマス・マン
訳者:山崎 章甫
出版社:岩波書店
ページ数:280

おすすめ度:★★★★




トーマス・マンはゲーテをテーマにした講演を何度も行っていたが、それらの原稿を集めたのが本書『ゲーテを語る』である。
マンのゲーテへの傾倒とゲーテから受けた強い影響は有名であるが、本書に収められた講演の内容も、ゲーテの作品や書簡からの引用に富んでいて、まるでゲーテを専門とする研究家によるものという印象を受けるほどに充実している。

本書には、『市民時代の代表者としてのゲーテ』、『作家としてのゲーテの生涯』、『ゲーテの「ファウスト」について』、『ゲーテの「ヴェルテル」』の四講演が収められている。
どの講演においても、マンならではの鋭い視点を感じさせる分析に出会うことができるが、何しろマン自身がゲーテのファンなので、内容には批判精神が乏しく、ゲーテの功績や姿勢に対する賛辞が散見するといった具合で、偏りがあるのは否めない気がする。
本書で述べられているのは、あくまでゲーテの著作や人柄に対して肯定的な見方であるということは念頭に置いておくべきなのかもしれない。

『ゲーテを語る』を手にする前に、講演のテーマにも据えられている『ファウスト』と『若きウェルテルの悩み』の二作はもちろんのこと、『ヴィルヘルム・マイスター』や『親和力』、『ヘルマンとドロテーア』といったゲーテの代表的な作品もあらかじめ読んでおいたほうがより深く本書を楽しめることは間違いない。
特に『ゲーテの「ファウスト」について』は、マンの書いた解説を読んでいるような感覚で読み進めることができるので、事前にゲーテの『ファウスト』を知っておくことが必須であると言えるだろう。

本書は、結局のところマンによるゲーテ論なのだが、講演用に書かれたものだけあって、テーマの奥深さの割りに難解なところは少なく、比較的読みやすいというのが特徴となっている。
ワイマルのロッテ』と同様、ゲーテに興味のある方にも、マンに興味のある方にもお勧めできる一冊だと思う。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリ
PR
最新記事
RSSリンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。