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『郊外の一日 - 新チェーホフ・ユモレスカ1』 チェーホフ(中公文庫)

郊外の一日 - 新チェーホフ・ユモレスカ1 (中公文庫)郊外の一日 - 新チェーホフ・ユモレスカ1 (中公文庫)

書名:郊外の一日 - 新チェーホフ・ユモレスカ1
著者:アントン・チェーホフ
訳者:松下 裕
出版社:中央公論新社
ページ数:364

おすすめ度:★★★★




数あるチェーホフの短編集のうち、初期の作品を集めた短編集の一つがこの『郊外の一日』である。
「新チェーホフ・ユモレスカ1」という副題が示すように、ユーモアを特徴とする作品群から、本書は31編を訳出している。
そもそも読みやすい文体で作品を仕上げるチェーホフにおいて、さらに読みやすいジャンルがあるとすればこのユモレスカだと思うので、気軽に手にしていただければと思う。

ユモレスカにおいてチェーホフが用いるユーモアには、結婚生活を揶揄するものや、帝政ロシア時代の貧困や身分格差をやり玉に挙げたものもあれば、いわゆる「新思想」をからかうようなものなど、当然ながらいろいろあるが、いくつかの作品も読んでいるうちにある程度の傾向性は見えてくるように思う。
それでも読者は飽きるどころかついつい次の作品を読みたくなってしまうのだから、チェーホフの読者を引き付ける筆力には脱帽せざるを得ない。
チェーホフの繰り出す適度なブラックユーモアに心地よさを覚える読者は私だけではないだずだ。

チェーホフの後期の作品群を知っている我々からすると、いわばオチのついた面白い話が見られるというのがユモレスカの最大の特徴と感じられるかもしれない。
そうはいっても、『郊外の一日』に収録されている作品すべてに必ずしもユーモアを感じるかというと実はそうでもなく、哀愁に満ちた余韻を残すものも半分くらいはあるのだが、それはそれで、いかにもチェーホフらしい作風だと読者をほくそ笑ませるに違いない。

チェーホフ・ユモレスカは、一作品につき平均して10ページ程度と、とても手頃なボリュームの読み物の集まりになっている。
電車に乗っている時間や、ちょっとした待ち時間にも読み切れる作品なので、出かけるときには一冊鞄に忍ばせておいてはいかがだろうか。
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