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『モーツァルト』 スタンダール(ミュージック・ライブラリー)

モーツァルト (ミュージック・ライブラリー)モーツァルト (ミュージック・ライブラリー)

書名:モーツァルト
著者:スタンダール
訳者: 高橋 英郎、冨永 明夫
出版社:東京創元社
ページ数:264

おすすめ度:★★★★




スタンダールが愛してやまなかった音楽家であるモーツァルトの伝記が本書である。
本書『モーツァルト』は、スタンダールが一冊の著作として書いた作品をそのまま翻訳したわけではなく、『ハイドン、モーツァルト、メタスタージオ伝』と『ロッシーニ伝』からモーツァルトに関する部分をそれぞれ抜粋したものとなっているが、テーマの一貫性が明確であるため、それほど継ぎはぎという印象を受けることはないと思う。

『モーツァルト』は、作者による手紙という、いわゆる書簡体のスタイルを取っているが、どのようなスタイルを取るにせよ、あまり内容に影響はしていないように見受けられる。
驕ることなく親切を尽くすというモーツァルトの人柄のよさはやはり読んでいて心地よいし、彼の神童ぶりを示すエピソードの数々はおそらく何度読んでも面白いものだろう。
モーツァルトの楽曲に関して多少立ち入った話もあるので、『魔笛』、『フィガロの結婚』や『ドン・ジョバンニ』のといった代表的なオペラ作品だけでも知っていれば、本書をいっそう楽しめるはずだ。
また、五線譜もしばしば掲載されているので、楽譜が読めればなおよいのかもしれない。

本書の冒頭には、芸術家の伝記を書かせれば右に出るもののない、ロマン・ロランによる序文も訳出されている。
これも『ハイドン、モーツァルト、メタスタージオ伝』に向けて書かれたものなので、本書ではこの序文も抄訳となっているが、さすがはロマン・ロランだけあって豊富な原典引用によってスタンダールの性格を非常に的確に描き出しており、大変興味深いものとなっている。

誰もが知るモーツァルトの伝記を、かの有名なスタンダールが書いていたとあっては、本書を楽しめる読者層はかなり広いのではなかろうか。
年譜があまりに細かすぎる点や、スタンダールの剽窃が問題になったなどの欠点はあるとはいえ、モーツァルトのファンにもスタンダールのファンにもお勧めできる一冊となっている。
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