スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『恋愛論』 スタンダール(新潮文庫)

恋愛論 (新潮文庫)恋愛論 (新潮文庫)

書名:恋愛論
著者:スタンダール
訳者:大岡 昇平
出版社:新潮社
ページ数:618

おすすめ度:★★★★




恋愛論(上) (岩波文庫)恋愛論(上) (岩波文庫)恋愛論(下) (岩波文庫)恋愛論(下) (岩波文庫)

赤と黒』などの代表作で小説家として知られるスタンダールであるが、そんな彼の小説以外の著作における代表作といえば、数種類の文庫本が出回っていることからもわかるように、この『恋愛論』であろう。
恋愛を描いた著作であれば世の中に無数に存在するが、いざその恋愛を研究対象として論じた著作となると、意外と少ないのではなかろうか。
そして本書こそが、世界で最も有名な恋愛を論じた著作なのではないかと思う。

『恋愛論』は、その表題の通り、恋愛について分析した論文となっているのだが、そこにスタンダールの自伝的要素、つまり彼自身の恋愛事情が色濃く表れている点が一般的な論文とは大きく異なっている。
自己主張の強いスタンダールならではのことと言ってしまえばそれまでかもしれないが、彼の恋愛事情に明るくない我々は豊富な訳注でその事実を知らされるわけで、それを少し煩わしいと感じる読者がいても当然だろう。

また、二つの章から成る本論に加えて、数多くの断章や補遺などが付属しているというのも、本書に特徴的な構成と言える。
最初から最後まで恋愛を論じ続けているわけではないというこの構成の特異さのおかげなのか、『恋愛論』と銘打ってある割には読みやすい作品になっているが、その反面、一冊の論文としては読者がいささか支離滅裂な印象を受けるのも否定できないような気がする。

『恋愛論』は、あくまでも当時のヨーロッパ社会を基盤として書かれているため、今日的な観点で見ればけっこう古臭いと言える部分も少なくない。
スタンダールらしい鋭い分析もなくもないが、スタンダール個人の私的なエピソードを数多く交えることで、恋愛を論じた書物としての普遍性を損ねているのも事実だろう。
そういう意味では、恋愛にまつわる論考に興味のある方というよりは、スタンダールに興味のある方にお勧めすべき本なのかもしれない。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリ
PR
最新記事
RSSリンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。