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『スカラ座にて』 スタンダール(音楽之友社)


書名:スカラ座にて
著者:スタンダール
訳者: 西川 長夫
出版社:音楽之友社
ページ数:178

おすすめ度:★★☆☆☆




音楽に造詣の深いスタンダールの著作の中から、オペラにまつわる記述、特にミラノのスカラ座に関する記述を中心に抜粋して編まれたのが本書『スカラ座にて』である。
スタンダール自身は音楽の専門家ではないにも関わらず、音楽に対して人並外れた知識や情熱を持っていて、本書を通じて読者はそれを読み取ることができるだろう。

『スカラ座にて』が抜粋を行ったスタンダールの原書は、処女作である『ハイドン、モーツァルト、メタスタージオの生涯』、『ロッシーニの生涯』といった伝記作品や、『エゴチスムの回想』や『アンリ・ブリュラールの生涯』といった自伝的な作品、さらには日記や書簡など、幅広い分野に及んでいる。
抜粋元として、有名な作品では『恋愛論』と『パルムの僧院』もあるにはあるが、そこからの抜粋はそれほど重要な記述ではないように見受けられる。

『スカラ座にて』の難点は、当時の個人名が頻出していることだろうか。
後世に名を残す有名な音楽家、たとえばモーツァルトやロッシーニあたりであれば、18、19世紀の音楽や彼らの作品に関する知識が乏しくても何となくイメージくらいはできるのだが、当時の他の作曲家やオペラ歌手の名前を出されても、一般的な日本の読者からすればまるで知らない人物ばかりなので、つい読み流さずにはいられないというのが実情だ。
そしてその読み流す部分が決して少なくなかったので、いささか退屈な本という印象を受けてしまった。

本書『スカラ座にて』は、スタンダールの自伝的要素に関心のある方には向いていると思うが、それ以外の読者があまり楽しめるようには思えない。
しかも、スタンダールの自伝が読みたければ『エゴチスムの回想』や『アンリ・ブリュラールの生涯』を読めばよいのであって、わざわざ本書を紐解く必要もないと言えそうだ。
個人的には、あまり評価できない内容の一冊となっている。
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