『緋色の研究』 コナン・ドイル(創元推理文庫)


書名:緋色の研究
著者:アーサー・コナン・ドイル
訳者:深町 眞理子
出版社:東京創元社
ページ数:259

おすすめ度:★★★★




ホームズシリーズの第一作目となるのが本書『緋色の研究』である。
邦題にはいくつかパターンがあるようだが、原題は"A study in scarlet"であり、内容的に見ても本書が採用している『緋色の研究』が最も妥当なところなのではないかと思う。

負傷して戦地から帰国した軍医ワトスンが、ロンドンで手頃な下宿を探していると、友人がシャーロック・ホームズという化学実験に熱中している一風変わった男を紹介してくれた。
二人はベーカー街で一緒に住み始めることになるのだが、ホームズの下へはいろんな事件が舞い込んでくる。
警察からも解決困難な事件への協力を求められ、ワトスンもその殺人現場へ同行することになり、こうして二人の冒険の日々が始まるのだった・・・。
『緋色の研究』は長編作品なので、当然ながら、短編作品の場合と比べて事件解決に至るまでの展開がやや遅いが、その分、読者の側で先読みをしにくいというのも特徴として挙げることができるだろう。

ホームズシリーズを読み始めるうえで、ワトスンとホームズの出会いが語られる作品であるという意味では、第一作目である『緋色の研究』に勝る作品はないと言える。
しかし、『緋色の研究』にはホームズが登場しない場面の割合が多いという難点があり、ホームズの活躍を読みたい読者であれば、短編集から読み始めるほうが格段にとっつきやすいというのもまた事実である。
ホームズシリーズの読破を前提に読み始めるのでない限り、本書よりは短編集から手を付けるほうがいいのかもしれない。

そうはいっても、短編作品が大半を占めるホームズシリーズにおいて、『緋色の研究』が長編作品ならではの読み応えを備えていることは間違いない。
それに、仮に短編集から読み始めたところで、読者がホームズシリーズに失望するとは考えにくいので、遅かれ早かれ、いずれは本書にたどり着くことになるのではなかろうか。
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