『地底旅行』 ジュール・ヴェルヌ(岩波文庫)


書名:地底旅行
著者:ジュール・ヴェルヌ
訳者:朝比奈 弘治
出版社:岩波書店
ページ数:477

おすすめ度:★★★★★




ヴェルヌの代表作の一つが本書『地底旅行』であり、そのタイトルにある通り、地底深く旅するストーリーである。
典型的な冒険旅行である点では『海底二万里』に近いが、『海底二万里』がやや受動的な観点から語られるのに対し、『地底旅行』はより能動的な冒険物語になっているので、痛快さという意味では『地底旅行』の方に軍配が上がるのではないかと思う。

とある教授が暗号文を手に入れた。
それを解読してみると、アイスランドの火口から地球の中心へと向かうことができるというのだ。
探究心に火が付いた教授は、甥を連れてアイスランドへと向かい、そうして「地底旅行」が始まるのだった。
登場人物のそれぞれがいかにもヴェルヌらしい性格を付与されているため、やはり彼の代表的な作品と呼ぶにふさわしいと言えるだろう。

『地底旅行』は、10年ほど前になるが『センター・オブ・ジ・アース』とのタイトルでハリウッドで映画化されている。
岩波文庫の『地底旅行』は挿絵入りなので、読者が共通のイメージを持ちやすいが、そのイメージと『センター・オブ・ジ・アース』とを比べてみるのも面白いと思う。
コメディタッチで軽めに作られている映画ではあるが、意外と原作に忠実な部分が多く、読者受けもそう悪くないような気がする。

『地底旅行』にはところどころ無理な設定もあるようなので、ちょっと皮肉を言わせてもらえば、地には潜るが、あまり地に足は付いていない作品、といったところだろうか。
そうはいっても、そのことによって物語としての面白さが削がれることはないし、老若男女問わずお勧めできる作品であることは間違いない。
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