『バスカヴィル家の犬』 コナン・ドイル(創元推理文庫)


書名:バスカヴィル家の犬
著者:アーサー・コナン・ドイル
訳者:深町 眞理子
出版社:東京創元社
ページ数:348

おすすめ度:★★★★★




ホームズシリーズで三作目となる長編小説が本書『バスカヴィル家の犬』である。
シリーズを代表する作品の一つであり、最高傑作と称されることも多いので、ホームズシリーズに関心のある方であれば必ずや読んでおくべき作品であるといえる。

家もまばらな荒野の中に位置する名家、バスカヴィル家の当主が不審な死を遂げた。
バスカヴィル家には代々伝わる奇怪な伝説があり、不審死の状況はその伝説に沿ったもの、つまり当主は巨大で狂暴な犬に追われ、その恐怖の挙句、心臓発作で亡くなったように見受けられるのだった・・・。
『バスカヴィル家の犬』には、断固たる科学的思考の持ち主であるホームズが、魔犬にまつわる超自然的な迷信に対するという面白さがある。
あれもこれも疑わしく感じられるという、謎の数々は本書でも巧みにちりばめられているので、推理小説の古典としての地位は今後も揺るがないことだろう。

『バスカヴィル家の犬』の特徴として、普段は観察者の役どころに留まっているワトスンが、表立って活躍するという点が挙げられるだろう。
これにはホームズの登場シーンが減るという副作用があるので、ひょっとするとワトスンの活躍を歓迎する声と失望する声とが共存するのかもしれない。
そうはいっても、『バスカヴィル家の犬』には事件の背景となる過去の出来事を語る場面が少ないという点に関しては、たいていの読者が喜ぶのではなかろうか。

荒涼とした土地を背景に事件が進む『バスカヴィル家の犬』は、どこか不気味で落ち着かないという独自の雰囲気も持っている。
むしろそれが原因で読者の好き嫌いが分かれることも考えられるが、作品の質については太鼓判を押せるので、ホームズシリーズを読んだことのない方にもお勧めできる一冊だ。
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