『失われた世界』 コナン・ドイル(光文社古典新訳文庫)


書名:失われた世界
著者:アーサー・コナン・ドイル
訳者:伏見 威蕃
出版社:光文社
ページ数:439

おすすめ度:★★★★★




シャーロック・ホームズシリーズで知られるコナン・ドイルのSF作品の代表作と言えば、この『失われた世界』だ。
これまで子供向けのものも含めて数多くの日本語訳が出版されていることからもわかるように、有名かつ非常に面白い作品である。

極度の変わり者ではありながらも、当代随一の学者であるチャレンジャー教授が、アマゾン奥地に未知の生物が実在すると主張し始めた。
誰も信じようとしないその主張の真偽を確認するため、志願者数名がアマゾン奥地の探検に赴くことになり・・・。
行き過ぎとも言える科学者的英知と凶暴性を兼ね備えたチャレンジャー教授という登場人物のオリジナリティも読者を大いに楽しませてくれるだろうが、緊迫感ある状況と意外な出来事の連続は、巻末に至るまで読者の興味を引き続けるに違いない。

『失われた世界』は、コナン・ドイルの代表作であるだけでなく、SFという文学ジャンルにおける代表作にもなっている。
滅びたはずの恐竜が実在しているという設定は、『ジュラシック・パーク』や『ジュラシック・ワールド』といったハリウッドを代表するような有名な映画作品にも継承されているのであり、このことからも今日まで連綿と続いている恐竜ものの系譜の先頭に位置する『失われた世界』の文学史的な重要さがわかるというものだ。

当然ながら、文学史的な重要さと小説の面白さは必ずしも比例しないが、生きた恐竜に出会うという『失われた世界』の面白さは、むしろその文学史的重要さをしのいでいるとさえ言えるかもしれない。
コナン・ドイルの作品を初めて読む方が本書から始めてみたとしても、必ずやコナン・ドイルの他の作品を読んでみたいと思うことだろう。
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