『死せる魂』 ゴーゴリ(岩波文庫)

死せる魂〈上〉 (1977年) (岩波文庫)死せる魂〈上〉 (1977年) (岩波文庫)
(1977/03/16)
ゴーゴリ

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死せる魂 中 (岩波文庫 赤 605-5)死せる魂 中 (岩波文庫 赤 605-5)
(1990/02)
N.ゴーゴリ

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死せる魂 下 (岩波文庫 赤 605-6)死せる魂 下 (岩波文庫 赤 605-6)
(1977/07/18)
N.ゴーゴリ

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書名:死せる魂
著者:ゴーゴリ
訳者:平井 肇、横田 瑞穂
出版社:岩波書店
ページ数:259(上)、228(中)、254(下)

おすすめ度:★★★★★




ゴーゴリの代表作であり、未完の長編作品である『死せる魂』。
ゴーゴリの特徴であるユーモアあふれる筆致の読みやすさは健在だ。
数々の文学全集に収められているだけあって、読者の期待を裏切らない名作である。

『死せる魂』の主人公はペテン師のチチコフという男。
彼はロシア各地を遍歴しながら死んだ農奴の名義を買い集め、それを使って一儲けを企んでいる。
いわば「死せる魂」を買い集めているというわけだ。
中世の悪しき遺産であるような農奴制に対する風刺のようにも読める作品だが、善への意志が人一倍強かったゴーゴリは『死せる魂』を単なる風刺作品に止めるつもりはなかったらしく、後の書かれることのなかった章で主人公の改悛や善への目覚めを描き出そうとしていたらしい。
ゴーゴリは『死せる魂』を書き終えることなく四十台前半でその生涯を閉じたが、同じテーマはドストエフスキーやトルストイなどに受け継がれていくことになるだろう。
そういう意味では、『死せる魂』はロシア文学における一つの偉大な流れの最上流に位置する作品とも言えるはずだ。
ロシア〈1〉/集英社ギャラリー「世界の文学」〈13〉ロシア〈1〉/集英社ギャラリー「世界の文学」〈13〉
(1991/03/20)
プーシキン、ゴーゴリ 他

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『死せる魂』は『集英社ギャラリー「世界の文学」〈13〉』にも収録されている。
プーシキンやチェーホフの代表作と共に、ゴーゴリの『』と『外套』も収められているが、このシリーズは何しろ一冊が重いのが難点だ。
とはいえ、収録作品のラインナップはまさに豪華の一言に尽きるので、自宅でゆっくり読書する方にはいいかもしれない。

『死せる魂』の読者はみな、作品が未完であることを残念に思わずにはいられないが、『トリストラム・シャンディ』などの未完の大作同様、十分に読む価値を備えている傑作だとも感じるはずだ。
ゴーゴリの集大成とも言うべき『死せる魂』、ぜひ読んでみていただきたい。
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