『結婚』 ゴーゴリ(群像社)

結婚―二幕のまったくありそうにない出来事 (ロシア名作ライブラリー)結婚―二幕のまったくありそうにない出来事 (ロシア名作ライブラリー)
(2001/10)
ニコライ・ワシークエヴィチ ゴーゴリ

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書名:結婚
著者:ゴーゴリ
訳者:堀江 新二
出版社:群像社
ページ数:126

おすすめ度:★★★☆☆




検察官』で知られるゴーゴリの、おそらくその次に有名な喜劇作品がこの『結婚』である。
「二幕のまったくありそうにない出来事」と副題が付けられているとおり、数ある戯曲の中でも非常に短い部類の作品だ。
二時間もあれば読み終えることができるため、また、内容にも何ら難しいところがないため、軽い読み物としては悪くないのではなかろうか。

ゴーゴリは『結婚』に様々な立場の人物を登場させている。
求婚をする側、される側、その親戚、結婚を取り持つ側、いろいろな側面から結婚を描き出している。
結婚に踏み切れない男が友人に励まされて花嫁候補の家に赴くと、そこにはすでに何人かの花婿候補がいて、男女の数のまったく釣り合わない奇妙な集団お見合いが始まる・・・。
ひょっとすると、結婚相談所やお見合いパーティーが急増した今日の日本では、また少し違った読まれ方をする作品なのかもしれない。

訳者が解説でも触れていることだが、ゴーゴリは滑稽味のある名前を、その性格を特徴付けるような名前を、登場人物に与えることが多い。
堀江新二氏訳のこの『結婚』においては、登場人物のうちの何人かを、本来は固有名詞である名前を単にカタカナ表記するのではなく、ロシア語の意味を汲んで意訳し、日本語化させることでその滑稽味を読者に伝えている。
このような処置に対する見解は分かれるところだろうが、私としては作者であるゴーゴリの意図に沿った翻訳であるとして歓迎したいと思う。

文字サイズも小さくない上に、解説も含めて全126ページと、きわめてコンパクトなのが特徴の『結婚』。
短くて読みやすい反面、ひねりや深みに欠けているので、物足りなさを感じさせる作品でもある。
ゴーゴリの代表作とは言えないまでも、『検察官』などを読んでゴーゴリに興味の湧いてきた方にはお勧めできる作品だ。
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